エアバス, エアライン, 機体 — 2021年3月4日 23:23 JST

ANAのA380初号機、初の重整備でアモイへ

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　全日本空輸（ANA/NH）が運航する総2階建ての超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU（フライング・ホヌ）」の初号機（登録記号JA381A）が3月4日夜、初のCチェック（重整備）を行う中国・アモイへ向かった。

ANAのA380初号機＝21年1月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　ANAのA380初号機は、2019年5月24日就航。Cチェックは、1年半から2年ごとに行われる整備で、自動車の車検に例えられる。機体の配管や配線、エンジンなどの内部構造点検など、整備箇所は機内外の多岐にわたる。ANAのA380は、いずれも海外の整備委託先でCチェックを受ける見通し。初号機は4日午後10時38分に成田空港のA滑走路（RWY16R）から、フェリーフライトのNH9411便として離陸した。

　ANAを傘下に持つANAホールディングス（ANAHD、9202）はA380を3機発注。「空飛ぶウミガメ」の意味を持つフライング・ホヌは成田ーホノルル線の専用機材で、全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施した。初号機が青（ANAブルー）、2号機（JA382A）が深緑（エメラルドグリーン）、3号機（JA383A）がオレンジ（サンセットオレンジ）と1機ごとに色が異なり、機首の表情も正面を見る初号機、ほほ笑む2号機、まつげを描いた3号機と違いがある。

　座席数は4クラス520席で、ファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席。ANAのホノルル線では初のファーストクラス設定機材となった。

　外観は16色の塗料が使われ、120人の作業者が21日掛かりで複雑なデザインの塗装を仕上げた。2019年3月20日にエアバスの工場がある仏トゥールーズでANAへ引き渡され、日本の航空会社が初めてA380を受領した。

トゥールーズを離陸するANAのA380初号機＝19年3月20日 PHOTO: Yuriko NAKAO/Aviation Wire

成田空港へ着陸するANAのA380初号機＝19年3月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　成田空港には翌21日に到着。4月6日の成田－関西間を皮切りに慣熟飛行を行い、4月17日には初めてホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港（旧称ホノルル国際空港）に降り立った。5月24日のホノルル行き初便NH184便は、乗客512人（幼児13人含む）と乗員24人（パイロット2人、客室乗務員22人）を乗せて出発した。

　就航から1年9カ月が過ぎて初のCチェックを迎えたが、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響により、ANAは2020年3月25日にホノルルから成田へ到着した便を最後に、A380の運航を一時停止。初号機はNH181便が定期便運休前では最後の便となった。その後は6月23日に、乗客を乗せずに成田空港周辺を40分程度で1周して戻る整備目的のフライトを行い、8月22日からは成田発着でハワイをイメージしたチャーターフライトを実施している。今年は1月1日の初日の出フライトに初号機を投入した。

　3月29日には、これまでと同様のチャーターフライトに初号機の投入を予定している。

　初号機と同様、2019年6月18日に就航した2号機も、まもなくCチェックを迎える。一方、2020年春に就航予定だった3号機については、2020年10月30日に書類上はANAHDへ引き渡されたものの、現時点で就航時期は決まっていない。

＊アモイから成田へ帰着時の記事はこちら。