全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が、航空事業に携わる人員を2025年度末までに3万人規模に削減する計画案をまとめたことが2月5日わかった。2020年度末比で約2割削減する。FSC(フルサービス航空会社)のANAブランドに従事する人員を採用抑制や自然減で減らすもので、リストラは想定していない。
ANA本体の航空事業に従事する人員は、2020年度末で約3万8000人となる見込み。2021年度と2022年度は一部のパイロット職などを除いて新卒採用を見送っており、2021年度はグループ37社合計で約3200人を採用する計画だった。また、退職など年平均2000人の自然減と合わせて人員を削減する。
業務のデジタル化や外注化を進め、これまでよりも少ない人数で仕事を進められるようにする。また、空港では一部ラウンジの閉鎖など再編も進める。
今回の人員削減には、グループでLCC事業を担うピーチ・アビエーション(APJ/MM)は含めていない。
ANAHDの2021年3月期通期業績見通しは、5100億円の最終赤字を見込む。固定費を中心としたコスト削減は、2年間で約4000億円を計画しており、このうち2020年度は約1500億円、2021年度は約2500億円の削減を目指す。
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全日本空輸
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