中部空港(セントレア)を運営する中部国際空港会社は1月30日、経営破綻したエアアジア・ジャパンが運航していた3機のエアバスA320型機のうち、最後まで残っていた初号機(登録記号JA01DJ)が同日離陸したことを明らかにした。那覇で給油後、エアアジアグループの拠点であるマレーシアのクアラルンプールへ向かった。
JA01DJは、仏トゥールーズで2015年10月9日に引き渡された。トゥールーズ出発後はエジプトとオマーン、ヤンゴンを経由し、中部には同月16日午後0時48分に到着した。同社最後の新路線となった2020年8月1日就航の中部-福岡線初便にも投入された。登録記号に付く「DJ」は、エアアジア・ジャパンのお膝元、中部地方が進める中部・北陸の旅「昇龍道プロジェクト」になぞらえた「ドラゴン・ジャパン」の意味も含まれていた。
同社は中部を拠点とし、国内線は札幌(新千歳)線と仙台線、福岡線、国際線は台北(桃園)線の計4路線を運航していた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で運休が続き、9月22日に中部-札幌線を2往復運航したのが最後となった。国土交通省には10月5日に12月5日付で事業を廃止すると届け出て、11月17日に東京地方裁判所へ破産手続き開始の申し立てを行った。負債総額は約217億円で、このうち航空券の未返金は約3億7000万円だった。
機材はA320が3機で、いずれもリース機。座席数は初号機(JA01DJ)と2号機(JA02DJ)が1クラス180席、3号機(JA03DJ)が1クラス186席で、全便運休前の9月に稼働した機体は3号機のみだった。2号機は12月8日に中部を出発し、那覇経由でシンガポールへフェリーされ、国交省には12月28日付で機体の抹消登録がなされた。
3号機は1月27日に中部を出発して、那覇経由で初号機と同じクアラルンプールへ向かった。今回の初号機離日で、エアアジア・ジャパンの機体はすべて中部から姿を消した。
エアアジア・ジャパンの撤退は、2013年10月以来2度目。第1期のエアアジア・ジャパンは今回破綻した会社とは別会社で、持株会社化前の全日本空輸(ANA/NH)との合弁で2012年8月1日に就航し、2013年10月26日で運航を終えた。
第2期は、エアアジアが楽天(4755)などと共に日本市場へ再参入すると2014年7月1日に発表したものの、就航は当初計画より約2年遅れの2017年10月29日となった。マレーシアのエアアジア本体は、エアアジア・ジャパンに33%出資していた。
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