高校生の時に被災し、全国からの支援で勇気づけられた経験を持つ全日本空輸(ANA/NH)の若手パイロットが企画したオンライン航空教室が開かれた。2004年に新潟県を襲った中越地震で、山古志村(現長岡市)出身の星野寿樹(としき)副操縦士(34)は、仮設住宅での受験勉強を余儀なくされた。その経験から、今年7月に九州を襲った令和2年7月豪雨で何かできないかと考えたのが、クラウドファンディングだった。
これまでの自然災害と異なり、今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で現地入りしてのボランティア活動は難しい。当初は社外のプラットフォームを使ったクラファンを考えていた星野さんだったが、自社で展開するクラファンの枠組み「WonderFLY」でも被災地支援を実現できることがわかり、オンライン航空教室や御礼の手紙といった返礼品をそろえ、目標額を100万円に設定。8月31日から9月30日までの1カ月間で、787人から目標を上回る134万4000円の支援を集めることができた。
11月7日、星野さんは同期をはじめとするパイロットたちと「熊本便が100倍楽しくなる!オンライン航空教室~熊本編~」と題したライブ配信を羽田空港内の会議室から開催。クラファンで支援した約40人が、羽田から熊本までのバーチャルフライトや航空教室、熊本の魅力紹介を、ビデオ会議システム「Zoom」で楽しんだ。
—記事の概要—
・「必要なことはなりたい気持ち」
・「4本線が重いです」
・御礼の手紙「お守りにします」
「必要なことはなりたい気持ち」
オンライン航空教室の最初は、羽田から熊本へ向かうバーチャルフライトNH2020便。星野さんと同期で、同じエアバス機の副操縦士として乗務している吉江崇雅さん(35)が機長役、石亀達也さん(34)が副操縦士役を務め、石亀さんが吉江さんを経験豊富な「グレートキャプテン」と紹介していた。
「All Nippon 2020, wind calm, RWY 05, Cleared for Takeoff!」。2020便は羽田のD滑走路(RWY05)から離陸し、熊本へ向かった。“機内”では2人から熊本行きから見える富士山の方向や、機体が揺れたときの対処方法、熊本空港へのアプローチといったクイズが出題され、Zoomのチャット機能で寄せられたコメントなどを紹介しつつ、吉江さんと石亀さんは同期の息の合った掛け合いを披露しながら熊本へ向かった。
フライト中は熊本出身の客室乗務員、安藤史華さん(27)による機内アナウンス
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