10月でボーイング777型機を全機退役させるデルタ航空(DAL/DL)のロサンゼルス行きDL3456便(777-200ER、登録記号N862DA)が10月30日、羽田空港を出発した。同社の777による運航便では羽田から出発する最終便で、出発時には、デルタ航空の社員が「Thank You DELTA Boeing 777」と書かれた横断幕を手に見送っていた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、乗客を乗せない貨物専用便となった。
デルタは1999年に同社初の777として777-200ERを導入。長距離型の777-200LRは2008年に就航した。当時は拠点の米アトランタと南アフリカのヨハネスブルグ、ロサンゼルスと豪シドニーなど長距離直行便にも投入していた。777-200LRは10機導入し、現在18機保有している。
日本最終便に投入されたN862DAは、1999年12月13日に引き渡された機体。エンジンはロールス・ロイス製Trent 892-17を搭載していた。座席数は4クラス288席で、ビジネスクラス「デルタ・ワン スイート」28席、プレミアムエコノミー「デルタ・プレミアムセレクト」48席、足もとが広いエコノミークラス「デルタ・コンフォートプラス」90席、エコノミークラス「メインキャビン」122席だった。
日本路線の777による到着最終便となったDL3455便は、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港のF5番ゲートから現地時間28日午前9時20分(定刻午前9時)に出発し、羽田の114番ゲートには29日午後1時22分(同午後0時40分)に到着した。
出発最終便のロサンゼルス行きDL3456便は、30日午前11時49分(同午前11時50分)に羽田の132番スポットを出発。同日午前5時25分(同午前6時)にロサンゼルス国際空港の131番ゲートへ到着した。
拠点のアトランタからの最終便は、30日のロサンゼルス行きDL8787便。31日のニューヨーク(JFK)発ロサンゼルス行きDL8807便が、デルタの777によるラストフライトになる。いずれも777-200LRで運航する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による需要減少により、2017年に就航した後継機のエアバスA350-900型機へ置き換えを進め、大型機の運航コストを削減する。
*写真は14枚。
777の日本路線最終便(定刻/実績)
DL3455 アトランタ(28日09:00/09:20)→羽田(29日12:40/13:22)
DL3456 羽田(30日11:50/11:49)→ロサンゼルス(30日06:00/05:25)
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デルタ航空
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