ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は10月19日、成田空港第3ターミナルに導入された自動手荷物預け機を公開した。20日からサービスを開始し、スマートフォンなどを使ったオンラインチェックインと手荷物の自動預け入れを組み合わせることで、空港内で人と接する機会を減らす「コンタクトレス」を進める。成田でLCCが自動手荷物預け機を導入するのは初めて。
自動手荷物預け機は、空港を運営する成田国際空港会社(NAA)が設置した豪ICM社製のものを使用し、ジェットスター・ジャパンのソフトウェアをインストールした。NAAによると、第1から第3まで全ターミナル合わせて72台を導入する計画で、57台が運用中。2021年3月までに残りの設置を目指す。このうち、第3ターミナルには今回Dカウンターに8台設置し、今後Cカウンターにも8台追加して計16台になる。
ジェットスター・ジャパンによると、受託手荷物をカウンターで預けると平均1人2分20秒かかるが、自動預け機では1分短縮して1分20秒で済むという。待ち時間の短縮や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などへの感染防止に役立つとし、セルフサービスが進むことでコスト削減による低価格運賃の提供、受託手荷物の処理速度向上による定時性改善につながるとしており、従来よりもスタッフが人手を必要とするサービスに、時間を割けるようになるとしている。同社の国内線で手荷物を預ける人は3割から4割程度で、ボストンバッグや土産物などもあるという。
自動預け機に預けられる手荷物のサイズは、長さ300-1000mm、幅100-500mm、高さ200-490mm、重さ0.5-32kg。預ける手荷物の重量によっては専用トレーを使い、取っ手が長いバッグなどもこのトレーで預ける。手荷物のタグはチェックイン機で印刷して乗客自身が手荷物に取り付け、25kg以上の手荷物には、自動預け機で印刷される「Heavy」タグを付ける必要がある。
預け入れる際は、手荷物を横に寝かせ、タグのバーコードを機械が読み取れるよう上向きに置く必要がある。また、必要とする重さの手荷物料金を予め支払う必要がある。
ジェットスター・ジャパンでは自動預け機導入に合わせて、オンラインチェックインの利用増加を目指す。同社の北原洋一・空港本部長兼成田空港支店長によると、同社便の利用者全体の5割がオンラインチェックインを使っており、4割が空港に設置されたキオスク端末、1割が対面で、将来的にオンラインを9割まで引き上げを目指す。
オンラインチェックインと自動預け機を使った搭乗手続きを「#Flyクール」と名付け、セールやキャンペーンを展開する。21日からは、国内線の往復予約時に復路が最低209円になる「209(触れない)」セールを26日午後5時まで実施する。また、サービス開始日の20日からは、ソーシャルメディアで毎週最大3人に5000円分のバウチャー(クーポン券)が当たる「#Flyクール」キャンペーンを展開する。
19日はジェットスター・ジャパンのマスコット「ジェッ太」が手荷物の預け入れを実演し、客室乗務員とピーアールした。
NAAの自動預け機は、第3ターミナルに設置するタイプのものが2019年9月から稼働。第1ターミナルで全日本空輸(ANA/NH)が2019年9月17日から、第2ターミナルでは日本航空(JAL/JL、9201)が10月28日から、両社とも国際線でサービスを始めた。国内線で使用するのはジェットスター・ジャパンが初めてで、同社の国際線は全便運休しており、再開後は双方で使う。また、NAAでは顔認証技術を使った搭乗手続きシステム「OneID」と連携した自動預け機の導入を、2021年春から18台計画している。
*写真は13枚。
関連リンク
ジェットスター・ジャパン
ジェットスター・ジャパン
・ジェットスター・ジャパン、関空の乗務員オフィス閉鎖 冬ダイヤは成田-庄内など6路線運休(20年10月8日)
・ジェットスター・ジャパン、5期ぶり最終赤字77億円 旅客2割減、20年6月期(20年9月29日)
・ジェットスター・ジャパン、10月は成田-長崎・宮崎・鹿児島運休(20年9月25日)
・ジェットスター・ジャパン、A321LR就航延期 新型コロナで需要減(20年6月2日)
NAAの自動手荷物預け機
・JAL、自動手荷物預け機で待ち時間短縮 成田空港に導入(19年11月4日)
・ANA、成田国際線で自動手荷物預け機 17日から(19年9月13日)
自動手荷物預け機の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・JAL 成田空港 自動手荷物預け機サービス開始