日本航空(JAL、9201)は5月30日、国際線用のボーイング767-300ER型機の全クラスに新シートを導入すると発表した。ビジネスクラスはフルフラットシートを採用する。最初の路線は成田-バンクーバー線で、12月就航を予定している。
新仕様機の名称は「スカイスイート 767」。時刻表では「SS6」と表記する。座席数はビジネス24席(現行30席)、エコノミー175席(207席)で計199席となり、改修前の237席から席数を38席(16%)抑えた。すでに欧米方面の長距離路線用に投入している777-300ERの新仕様機「スカイスイート 777」(SS7)と同様、「1クラス上の最高品質」をテーマに掲げる。
フルフラットのビジネスクラス
ビジネスクラスのシート名は「スカイスイートII」で、全席通路アクセス可能なフルフラットシートを採用。シート配列は1-2-1で、ベッド長は最大約200センチ、ベッド幅は最大約52センチ、個人モニターは従来比1.5倍の15.4インチの大型タッチパネル式モニターを導入する。全席にパソコン用電源やUSBポートを用意した。
サイドテーブルや専用収納スペースを設置し、専用収納スペースの扉は間仕切りとしても利用できるようにすることで、乗客個人の空間を確保できるようにした。
シートメーカーはゾディアック・シート・UK(旧コンター)。
777と同じエコノミークラス
エコノミークラスは、スカイスイート 777と同じ独ZIM社製「スカイワイダー」を採用。配列は2-3-2で、シートピッチは約84から86センチ(33から34インチ)、座席幅は約45センチ、個人用モニターは最前列を除き10.6インチで、最前列は8.9インチとなる。
現行機のシートピッチは約79センチ(31インチ)で、シートのスリム化と合わせて足元のスペースを最大約10センチ広げる。また、全席にパソコン用電源やUSBポートを備えた。
9機改修
SS6は12月の成田-バンクーバー線を皮切りに、2014年度にかけて長距離東南アジア路線やホノルル線などに投入予定。これにより、欧米路線と長距離東南アジア路線のビジネスクラスのシートは、すべてフルフラットになる。
JALは保有する767-300ERのうち、9機をSS6に改修予定。同じ中型機の787は、座席数がビジネス42席、エコノミー144席の計186席で、中長距離で200席未満の需要の路線に投入し、棲み分けを図る。
JALによると、ビジネスクラスの新シートを787に導入するかは、現段階では未定だという。
関連リンク
日本航空
スカイスイート 767
・個人空間と開放感を両立 写真特集・JALスカイスイート767
・日航、国際線用767の新シート公開 12月にバンクーバー線投入
スカイスイート 777
機内公開
日航、新国際線機「スカイスイート 777」の機内公開 1月9日ロンドン線就航
シート写真特集
・JALの777-300ER新シート ファースト・ビジネス編
・JALの777-300ER新シート プレエコ・エコノミー編
スカイスイート 777発表会
・日航、1クラス上のシートと“空のレストラン” 13年から国際線777で新サービス