日本航空(JAL、9201)は5月30日、熊本県とともに機内食「エア くまモン」を発表した。パッケージデザインに熊本県の人気キャラクター「くまモン」を採用し、春雨スープに野菜などの具材を入れた同県のご当地グルメ「太平燕(タイピーエン)」を中心としたメニューを用意。6月1日から成田出発の国際線欧米路線の、プレミアムエコノミーとエコノミーの両クラスで提供する。
エアくまモンは従来の機内食では提供されなかったメニューを採り上げる「エアシリーズ」の第9弾。初の自治体とのコラボレーションで、名産品やくまモンを世界に発信したいと考えている熊本県の取り組みを、機内食を通してJALが支援する。
県内の学校給食でも取り上げられている太平燕は、熊本市内の老舗中華料理店「紅蘭亭」の監修の下、緑豆100%の春雨や、鶏ガラと豚骨のスープを使用し、機内食用に仕上げた。
JALで開発を担当した商品サービス開発部の田中誠二・開発グループ長によると、エコノミークラスでは初めて麺類を提供することになり、スープがこぼれないよう、本来のスープよりも少しだけ粘度を持たせたという。紙製の容器も二重にしたほか、水が染み込みにくくするコーティングを通常より厚めにするなどの工夫を凝らした。
容器に入った太平燕に、乗客が自分で別添えの揚げたまごや棒々鶏、レタスを好みで加えるようにし、できたてを味わえるようにした。また、春雨を食べ終わった後のスープに、別皿の焼きおにぎりを入れると、お茶漬け風太平燕として楽しめる。デザートには、熊本県の菓子メーカー「熊本菓房」で長年愛されているカスタードケーキを用意した。
容器やトレイマット、リーフレットのデザインには、くまモンを採用。生みの親であるクリエイティブディレクターの水野学氏が、エアくまモンのためにシェフ姿のくまモンをデザインした。
7月から8月の夏休み期間中は、子ども向け機内食用に専用トレイマットを用意。ロンドンやフランクフルト、ボストンなどJALの就航地の名物に扮したくまモンが描かれている。
JALの植木義晴社長は、今後のエアシリーズの展開について「以前のように業者と組むこともあると思うが、選択肢が広がった」と、初の自治体とのコラボレーションの感想を語った。
エアくまモンは、目的地到着前の2食目の食事として提供する。提供路線は成田出発のニューヨーク、ボストン、シカゴ、ロサンゼルス、サンディエゴ、ロンドン、パリ、フランクフルト、ヘルシンキの計9路線。期間は6月1日から8月31日までで、ヘルシンキ線は7月1日から。期間中に12万食の提供を予定している。