4連休初日の9月19日、羽田空港は国内線で全国各地へ向かう人で混雑していた。全日本空輸(ANA/NH)は約8万7000人、日本航空(JAL/JL、9201)は約8万人の予約が19日は入っており、両社とも今年2月以来の水準となった。
ANAによると、1日あたりの旅客数が8万7000人を超えるのは今年2月28日の9万1596人以来、約7カ月ぶり。19日は北海道や沖縄、関西方面の需要が高いという。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で需要の底となった5月は、1日あたりの旅客数が8000人、お盆期間のピーク8月16日は6万2000人で、ANAが乗り入れる第2ターミナルは久々に活気にあふれていた。
ANAの営業を統括する井上慎一専務は、旅客需要の動向について「サステイナブル(持続可能)なものにしていきたい」と述べ、今後は各地で紅葉の見ごろを迎える10月と11月の観光シーズン、年末年始需要と現在の流れをつなげていきたいという。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の補助を適用した東京発着の旅行商品も、18日から予約販売が始まり、4連休の勢いを今後につなげていけるかが課題となる。
羽田で働くANAの地上係員(グランドスタッフ)などが所属するANAエアポートサービスの久沢弘太郎旅客サービス部長によると、新型コロナ影響による需要減退で一時閉鎖していた第2ターミナルのサテライトは7月から運用を再開したという。ターミナルの運用としては夏の繁忙期とほぼ同様なものの、旅客数が増えていることから、列に並ぶ人の間隔を開ける案内役などの係員を増員して対応している。
第2ターミナルは左右に2カ所ずつ、計4カ所の保安検査場があるが、4連休は左側の保安検査場AとB、右側のCの3カ所で対応。手指の消毒と検温後に入場するようになっていた。
今後は国際線の段階的再開が焦点になる。井上専務は「関係各所と出入国について整えていきたい」と語った。
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ANA
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