全日本空輸(ANA/NH)は9月17日、航空や鉄道、バス、タクシーなどマイカー以外の異なる交通手段を1つの移動手段として捉える概念「MaaS(マース:Mobility as a Service)」について、日本の鉄道チケットや旅行アクティビティなどの予約プラットフォーム事業を展開するリンクティビティ(LINKTIVITY、東京・中央区)と協業を開始すると発表した。ANAが展開する、航空便の運航情報と鉄道やバスなどの地上交通を同時に案内する「空港アクセスナビ」に、これまでの経路検索に予約決済機能を追加する。
リンクティビティとのEチケットプラットフォームを、空港アクセスナビと連携。ANAの航空券を予約した利用客は、提携する交通機関や観光施設などのチケットを購入できるようになる。
第1弾として、東京メトロ9路線と都営地下鉄4路線が乗り放題になる乗車券「Tokyo Subway Ticket」を、空港アクセスナビから購入できるようにする。リンクティビティとの連携で、空港アクセスナビでの事前購入と、引換え用のQRコード発行が可能となった。
同乗車券は、有効期限が24時間と48時間、72時間の3種類を提供。首都圏の1都7県以外の居住者と訪日客を対象に、羽田と成田着便の乗客に販売する。購入後に送信されるメールに添付されたQRコードを、東京メトロと都営地下鉄の主要駅に設置するQRコードリーダーで読み取り、入手する。
今年3月26日に開始した空港アクセスナビは、航空便の運航情報とターミナルや搭乗口、保安検査場などの情報を経路検索に統合。スマートフォンのアプリやウェブサイトで提供する。従来のルート検索は、出発時間やターミナルを利用者自身で確認し検索する必要があったが、空港アクセスナビの導入により、予約便の情報を自動に反映することで、最適なルート検索が可能になる。
対象となるのはANAが運航するの国内・国際線で、国内線はコードシェア(共同運航)便でも提供する。国際線のコードシェア便は対象外で、海外空港の空港アクセス検索はできない。
関連リンク
空港アクセスナビ(全日本空輸)
LINKTIVITY
東京メトロ
都営地下鉄(東京都交通局)
空港アクセスナビ
・ANA便の経路検索、地上交通と統合 「空港アクセスナビ」、MaaS活用(20年3月31日)
MaaS
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