全日本空輸(ANA/NH)は、航空機内装品大手のジャムコ(7408)と共同開発した非接触性を高めた機内用トイレ(ラバトリー)の試作品の動画を9月8日から公開している。8月末まで羽田空港のANAラウンジ入口に展示していたもので、当紙でも展示期間中に報じたものだ(関連記事)。
新型コロナウイルスの感染拡大により、他人がさわったものは極力手で触れたくないと感じている人は多いのではないか。ラバトリーは設置面積が限られているなどの理由もあり、自動ドアを設置するのは難しいといった課題がある中、ANAとジャムコはひじで開けられるドアを試作した。両社によると、ひじで開けられるラバトリーのドアは世界初だという。
ANAによると、8月に羽田のANAラウンジ入口で利用者に体験してもらった際のアンケートは、568件の回答が集まり、7割程度が「良い」という意見だったという。「ひじだけでなく、従来通り開けられるのが良い」などの評価が見られた一方で、「案内がわかりづらい」と狭い室内で使い方をどのように伝えるかは課題のようだ。
航空機用ラバトリーやギャレー(厨房設備)、シートなどを手がけるジャムコは、清潔で衛生的な客室作りを目指して「Project Blue Sky」をテーマに掲げる。ラバトリー向けでは、今回のANAとの共同開発によるひじ開けドアのほか、独自に足踏みペダルを利用して手を使わずに便器のふたや便座を開閉する機構の検討や、ボーイング777型機や787で実績がある足踏みペダル付きゴミ箱を他機種にも展開するプランを検討している。
両社では今後、アンケートで寄せられた意見などを参考にし、実用化に向けた検討を進めていく。
【ANA Group Snapshot】
ANAとジャムコ、世界初のひじで開ける機内トイレのドアを試作▼詳細はこちらhttps://t.co/6bhofd9OAL#ANACarePromise pic.twitter.com/4zNNsOleLu
— ANA Group News (@ANA_Group_News) September 8, 2020
・ANAとジャムコ、ドア触れずに出られるトイレ試作 非接触で感染防止、羽田ラウンジに展示(20年8月20日)