新千歳や旭川、釧路など北海道内7空港を運営する北海道エアポート(HAP)の蒲生猛社長は9月4日、北海道の旅行需要回復には5年から6年程度かかるとの見通しを示した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、新千歳空港の国際旅客便は3月下旬から全便運休が続いている。
蒲生社長によると、北海道へのビジネス需要は1割以下だという。多くは観光需要で、「だんだんと戻ってくるとは思うが、本格的な回復は5年から6年かかる」と述べ、2026年あたりには新型コロナ前の状態に戻るとの認識を示した。
今年7月に開催予定だった東京オリンピックは、2021年に延期となった。札幌は延期前もマラソンや競歩の競技会場となっており、延期後も予定通り開催される見込みとなっている。蒲生社長は「マラソンなどの札幌開催を期待している」と述べ、五輪効果を期待する姿勢を見せた。
道内の観光産業は、新型コロナの感染拡大により来道者が減少するなど打撃を受けている。HAPと北海道、北海道観光振興機構の官民3者は6月17日から「HOKKAIDO LOVE! プロジェクト」を展開し、打撃を受けた道内の観光需要の回復を目指している。
北海道庁観光局が公表している直接来道した外国人数は、現時点で最新となる5月は0人。2019年5月は14万8645人で、新型コロナによる運休が大きく影響している。
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HOKKAIDO LOVE! プロジェクト
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