エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2020年8月31日 13:22 JST

787胴体不具合、ANAも1機該当 787-10の2号機

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 ボーイング787型機で発覚した胴体不具合問題について、全日本空輸(ANA/NH)は8月31日、1機が該当することを明らかにした。国際線機材の787-10が該当するという。ボーイングによると全世界で8機が該当し、この問題を最初に報じた米国の航空ニュース媒体「The Air Current」はユナイテッド航空(UAL/UA)とエア・カナダ(ACA/AC)、シンガポール航空(SIA/SQ)の機体が該当すると報じていた。日本航空(JAL/JL、9201)によると、同社で該当する機体はないという。

787の胴体問題で1機が該当したANA。写真は787-10の同型機=19年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ボーイングによると、787の後部胴体結合部に2つの問題が見つかり、8機が運航停止。FAA(米国連邦航空局)には報告済みで、設計基準に満たない状態であることから機体の点検や修理が行われるという。

 ANAは787のローンチカスタマー(初期発注者)で、2004年4月26日に50機購入すると決定。ボーイングの受注履歴によると、標準型の787-8を36機、長胴型の787-9を45機、超長胴型の787-10を14機の計95機を確定発注しており、全3機種を運航する世界最大の787オペレーターとなっている。7月末時点で受領済みの機体は787-8は全機、787-9は35機、787-10は2機で、今回の問題に該当しているのは2019年6月に引き渡された787-10の2号機(登録記号JA901A)となる。JA901Aは現在運航から離脱している。

 787-10は、787ファミリーでは胴体が最長となる超長胴型の機体で、標準型の787-8より11.6メートル長く、日本の航空会社ではANAが初導入となった。同社の787-10は中距離国際線用機材で、今年2月25日に追加発注が発表された11機は国内線仕様を予定している。

 この発表時点では、追加分の確定発注は787-10が11機、787-9が4機の計15機だったが、7月末時点のボーイングの受注履歴では787-9は1機に減少している。

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