全日本空輸(ANA/NH)は8月25日、総2階建ての超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」による遊覧飛行の第2弾を、9月20日に成田空港発着で実施すると発表した。「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ同機を普段投入しているハワイをイメージしたフライトにする。販売期間は8月25日午後3時から28日午前10時までで、申込多数の場合は抽選となる。
*第2弾の倍率は110倍。記事はこちら。
遊覧飛行はチャーター便で、8月22日の第1回目は倍率が約150倍となり、抽選で選ばれた334人(幼児11人含む)が搭乗した。便名は前回と同じNH2030便で、成田空港に午前11時から午後0時30分までに集合後、午後2時ごろ出発して午後4時ごろに戻る。フライト時間は約1時間30分で、抽選会やオリジナルグッズのおみやげを用意し、アロハシャツなどハワイを感じられる服装の乗客にはプレゼントを手渡す。
ANAのA380の座席数は4クラス520席で、ファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席。旅行代金は、1人あたりファーストクラス席が5万円、ビジネスクラス席が窓側3万5000円、通路側3万円、プレミアムエコノミー席が窓側2万5000円、通路側2万円、エコノミークラス席が窓側1万9000円、窓側(翼の上)1万7000円、通路側1万4000円と、前回と同額となっている。
ANAを傘下に持つANAHDは3機のA380を発注しており、2機を受領済み。全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施しており、初号機(JA381A)が青(ANAブルー)、2号機(JA382A)が深緑(エメラルドグリーン)、3号機(JA383A)がオレンジ(サンセットオレンジ)と1機ごとに色が異なる。機首の表情も、正面を見る初号機、ほほ笑む2号機、まつげを描いた3号機と違いがある。前回は初号機が遊覧飛行に使われ、2号機は予備機として隣で待機していた。
前回の遊覧飛行は成田を午後2時6分に出発し、高度3万8000フィート(約1万1582メートル)を積乱雲を避けながら埼玉県から群馬県、長野県、岐阜県、愛知県を経て、静岡県、伊豆諸島の三宅島の上空を経て午後4時2分に戻った。
航空機は飛行しない期間が90日を超えた場合、機体をジャッキアップして主脚などを整備するなど、通常よりも作業項目が増えて費用がかさむ。このため、90日以内に乗客を乗せずにフライトすることがあり、新型コロナウイルスの影響で3月25日を最後に運休しているA380の場合、2号機を6月22日、初号機を翌23日に乗客を乗せないフェリーフライト(回航)を成田発着で行った。遊覧飛行により、ANAは機材を運航していれば行わずに済む整備理由のフライトを避けられ、利用者にとってはハワイへ行くよりは安価にA380のフライトを楽しめることから、継続を求める声が同社に寄せられていた。
ANAによると、今後も同様のフライトを検討していきたいという。
関連リンク
ANA FLYING HONUチャーターフライト
全日本空輸
第2弾は110倍
・ANAのA380遊覧飛行、第2弾は倍率110倍 ほほ笑みの2号機(20年9月8日)
倍率150倍の遊覧飛行
・予備も兼ねた”空飛ぶウミガメ”2機並び 写真特集・ANA A380遊覧飛行(20年8月24日)
・ANA空飛ぶウミガメA380、成田発着で遊覧飛行 抽選150倍、2機並びも(20年8月22日)
写真特集・ANA A380 FLYING HONUの機内
(1)個室ファーストクラスでプライバシー確保(19年5月21日)
(2)ペアシートもあるビジネスクラス(19年5月22日)
(3)2階後方にゆったりプレエコ(19年5月23日)
(4)カウチシートもあるエコノミー(19年5月24日)
3カ月ぶりのフライト
・ANA、A380初号機も3カ月ぶりフライト 40分で成田へ戻る(20年6月23日)
・ANAのA380、3カ月ぶり飛行 26分で成田1周、運航再開は未定(20年6月22日)
写真特集・ANA A380 3号機ロールアウト
前編 まつげのある3号機、足場もオレンジになった塗装工場
後編 非中東系ラストはサンセットオレンジ
ロールアウトの動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・ANA A380 3号機がハンブルクでロールアウト サンセットオレンジのJA383A
2機のA380が本格稼働
・【空撮】空飛ぶウミガメ、ホノルルに2機揃い踏み ANAのA380、週10往復に(19年7月3日)
搭乗記・空飛ぶウミガメ ANA A380
前編 「ほかの飛行機より静かだよね」(19年7月22日)
後編 広々とした2階席のプレエコ(19年8月11日)