リムジンバスを運行する東京空港交通は8月18日、成田空港近くの車庫でバスや特殊車両の見学体験イベント「リムジンバス探検隊 in NARITA」を開催した。新型コロナウイルスの影響で都市部と空港を結ぶリムジンバスも多くの運休が生じていることから、子供たちの自由研究などに役立ててもらおうと、例年の夏休み期間では開催が難しいイベントを同日から9月6日まで開いている。
今回のイベントは、成田空港発着で実施。リムジンバスの車庫や整備工場がある成田運行事業所へ同社バスで移動し、乗車したまま洗車機を通過する体験後、見学会が開かれた。
車庫には今年2月から運行を始めた新ロゴをあしらった新デザイン塗装の大型ランプバス、貸切バス、路線バスが並び、2018年6月4日から運行を始めた車いすのまま乗車できるリフト付きバス、駐機場で航空機のドアの高さまで上昇して車いす利用者などが乗降できる「パッセンジャーボーディングリフト(PBL)」が、写真撮影に適した順光の状態で並べられた。また、リフトの上昇・下降を体験する時間も設けられた。
今回展示された車両のうち、大型ランプバスとPBLは空港内で使用しているもので、整備工場へ向かう際などを除くと一般道を走行することがなく、走行ごとに仮ナンバーを取得する必要がある特殊な車両だ。大型ランプバスは車幅が2.99メートルと一般道を走行できる車幅2.5メートルを超えるもので、一般道も走れる通常のランプバス(車幅2.49メートル)と並ぶと、50センチの差だが横広に見えた。
東京空港交通のリムジンバスは、羽田・成田両空港と都市部を結ぶ。同社によると、18日現在で総数564台のバス(PBL含む)が在籍。路線バスが396台、貸切バスが38台で、このうち車いす用リフトを備える車両は路線バスが25台、貸切バスが2台だという。また、空港内を走るランプバスは123台で、このうちPBLは14台となる。
今夏の東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせて車両を増強したものの、新型コロナの影響で大量運休が続く。成田空港線はホテルを結ぶ路線が全便運休、主要都心部への路線も30分間隔に減便。羽田空港線も平常時の7割に抑えて運行しているという。
今回のイベントは、夏休みの子供やファン向けに企画。バスの運行に余力がある状況を活用しようと考えたものだという。参加費用(税込)は同社の路線バス利用者の場合が大人1人7000円で、子供は1人あたりプラス1000円。非利用者は大人1人1万2000円で、子供の追加分は同額となる。実施日は8月20日から23日、28日から30日、4日から6日で、いずれも午前10時30分から午後3時まで。成田運行事業所で見学後は、空港近くの「さくらの山」に立ち寄り、成田空港へ戻る。
同社では8月12日からウェブ予約決済・区間限定の新割引運賃を導入しており、イベント開催で新運賃もピーアールしていきたいという。
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東京空港交通
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