日本航空(JAL/JL、9201)とホテル日航成田は8月17日、「オンラインde航空教室」を成田空港近くの同ホテルで共同開催した。宿泊客を対象にした無料イベントで、約4300キロ離れたホーチミン空港駐在のJAL整備士がオンラインで子供たちに航空機の構造や整備士の仕事をわかりやすく説明し、ホテルの会場でも客室乗務員と整備士がクイズを出題するなどのサポートを行った。
JALは新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外で学校が休校となった4月から、整備士が自ら制作した動画「動画de航空教室」を自社のSNSで公開。「空」を通じて未来を考える授業「空育」(そらいく)を2016年11月から展開しており、17日の時点で全10回のうち7回まで公開している。
今回の航空教室はその発展版で、整備士出身のJAL調達本部航空機材・整備調達部の松本千春さんが発案し、同期を中心に仲間を募って開催にこぎつけた。ホテル日航成田の宿泊者を対象に、14日から29日(25日除く)まで開催している。
17日は宿泊客のほか、館内にある保育園の園児なども招待され、2年半前からホーチミン空港に赴任している整備士の岡田弘彰さんが講師を務める航空教室が開かれた。岡田さんはバイクが多いベトナムの様子などを紹介しながら、空港に到着した飛行機を整備する際に使うiPadやiPhoneにインストールされたJALの専用アプリ「SMART」や、駐機場に機体が到着する前に何を点検するか、到着した飛行機のパイロットに機体の状態や残りの燃料、ブレーキ温度などを確認するといった、普段の整備士の仕事を紹介した。
会場には、成田空港に所属するJALの整備士と客室乗務員が2人ずつ参加し、クイズ大会が開かれた。飛行機が飛ぶ高度や客室乗務員が秒針付き腕時計を着用している理由などの問題が出題された。また、4月から着用を始めた11代目の新制服も紹介した。
教室に参加した整備士は、「このような航空教室は今だからできるものだと思います」と話した。アナウンスが好きだという客室乗務員は、「小さい子供とふれ合えて楽しかったです」と笑顔を見せていた。
企画した松本さんは、「海外に行けない状況が続いているので、海外に行った感じを少しでも出したいと思いました」と、海外空港とオンラインで結んだ経緯を語った。「外に行けない中で、夏休みの自由研究の足しになればいいなと思います。(オンライン出演の整備士に加えて)会場に整備士と客室乗務員がいるのは、直接お客様とお話できるようにしたかったからです」と明かした。
今回の航空教室にはホーチミン空港のほか、ホノルルとロサンゼルス、ニューヨーク、メルボルン、バンコク、北京の各空港に赴任している整備士が登場する。「今回は午前中の開催なので、時差の関係で欧州の整備士は参加していませんが、遅い時間帯のほうが都合が良い方もいらっしゃるので、今後は別の時間帯でも開きたいです」(松本さん)と話した。
関連リンク
日本航空
ホテル日航成田
第1弾~飛行機はなぜ飛ぶことができるのか?~(YouTube)
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