FAA(米国連邦航空局)は、ボーイング737型機に対して機体の安全性を確保する改修案をまとめた「耐空性改善命令(AD)」を現地時間7月23日付で発行した。エンジンのチェックバルブ(逆流防止弁)に腐食が生じ、エンジンの故障につながる恐れがあるという。
対象は「737クラシック」と呼ばれる737-300、-400、-500と、「737NG(次世代737)」の737-600、-700、-700C、-800、-900、-900ERのうち、7日間以上連続して運航していない保管中の機体。FAAによると、2基あるエンジンのうち、1基がチェックバルブの不具合で停止するトラブルが最近4件発生しており、エンジンブリードエア5段目のチェックバルブの点検と、点検時に不合格だった場合は交換を義務づけた。
報告されたトラブルでは、チェックバルブが腐食して開位置で動かなくなっていたという。
FAAは、保管状態から復帰してフライトサイクルが10回以下の機体に対し、チェックバルブの点検を指示した。ロイター通信によると、FAAが対象としている機体はおよそ2000機にのぼるという。
航空会社では新型コロナウイルスの影響で大量運休が生じており、737も多くの機体が保管状態や運航頻度が低下した状態になっている。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)が737-700と-800、日本航空(JAL/JL、9201)とグループの日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)、スカイマーク(SKY/BC)、ソラシドエア(SNJ/6J)、春秋航空日本(SJO/IJ)が737-800、エア・ドゥ(ADO/HD)が737-700を運航している。
関連リンク
Federal Aviation Administration
Boeing
ボーイング・ジャパン
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