日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、メガバンクなど民間金融機関から借り入れた航空機の輸入費用に対し、国際協力銀行(JBIC)と保証契約を6月に結んだ。両社はこれまでも主にボーイングから航空機を購入した際に同様の契約をJBICと結んでおり、過去5年間では1回あたり100-200億円規模の契約だったが、今回JALは8機で884億円、ANAHDが6機で約856億円となった。
JBICの保証は航空会社が購入後、日本へ輸入した航空機が対象。今回の契約も、すでに受領済みの機体に対するものになる。JBICが航空機を担保に銀行などが融資した元本や利息などを保証するもので、JALがエアバスA350-900型機、ANAHDがA380を購入する前は、ボーイング機が主な対象だった。
中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により、航空会社は世界的に苦境に立たされている。JALは5000億円の資金調達にめどが立ち、うち2000億円は調達済み。ANAHDは民間金融機関や、JBICと同じく政府系の日本政策投資銀行(DBJ)から5350億円規模の借入を実施し、融資枠5000億円を合わせると1兆円規模の対策を講じている。
JALが今回保証契約を結んだ機体の中には、これまで主力だったボーイング777型機を置き換えるA350が含まれている。同社の菊山英樹専務執行役員は今年4月に、「運航効率や環境面で更新していくことに合理性があり、今年度は予定通り導入していく」とAviation Wireの質問に対して回答しており、2020年1-3月期(第4四半期)の純損益が229億円の赤字と、2012年9月の再上場以来初の赤字に転落してコスト削減を進める中、新型機を計画通り導入することで運航コストを抑える。
JBICでは購入機に対する保証のほか、航空分野では日本の航空機リース会社やサプライヤーが海外の企業を買収する場合などに、M&Aを支援するケースがあるという。
JAL
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ANA
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