全日本空輸(ANA)と人気ラーメン店「博多一風堂」を運営する力の源カンパニーは5月20日、ANAの国際線ファーストクラスとビジネスクラスで一風堂が監修するラーメンを、6月1日から2食目の機内食として提供すると発表した。
提供路線は北米と欧州で、北米は醤油ラーメン「ふるさと」、欧州は豚骨ラーメン「そらとん」。1食目の機内食後、乗客が好きな時に2食目として自分で注文する軽食メニューの一つとして提供する。
ANAによると、サンドイッチやハンバーガーなどの軽食メニューの中で、ラーメンを頼む人が約6割ともっとも人気が高いため、より満足度の高いものを目指して一風堂のラーメンを提供することになった。
豚骨のイメージの強い一風堂のラーメンが、北米路線では醤油味となったことについて、力の源カンパニーの河原成美CEO(最高経営責任者)は「米国は食品に関する当局の輸入規制で、肉エキスが使えなかった」と理由を述べた。また、お湯の沸点が機内では80度であるなど、機内食ゆえの制約の中でメニューを開発する難しさを語った。
河原CEOによると、空の上の豚骨ラーメンを意味する「そらとん」は店舗の人気メニュー「白丸」をベースに、もう一つの人気メニュー「赤丸」に添えられている香味を入れたという。麺はそうめんのような極細麺で、1分半でゆであがる。「食べていくと香油とスープが混ざっていく。まとまった味になった」と話した。
一方、「懐かしい味を目指した」(河原CEO)という醤油ラーメンには中細麺が合わせられ、海苔が添えられる。
河原CEOは「いろいろな規制があるので、いかにして僕たちのスープに近づけるかが難しかったが、機内で楽しんでいただけるラーメンになった」と語った。