カンタス航空(QFA/QF)は現地時間7月6日、ボーイング747-400ER型機の運航を22日に終了すると発表した。退役前には豪国内で「お別れフライト」も実施する。
3便運航するお別れフライトは、7月13日にシドニー、15日にブリスベン、17日にキャンベラで実施。飛行時間はいずれも1時間を予定する。航空券は8日に同社ウェブサイトで販売し、エコノミーを400豪ドル(約3万円)、ビジネスは747豪ドルで提供する。
最終運航は7月22日で、午後2時ごろにQF7474便としてシドニーを出発。出発前には格納庫でイベントを開催する。
カンタス航空は6月25日に、「ジャンボ」の愛称で親しまれる747の退役を発表。当初は年内の退役を予定していたが、退役を半年早めることでコスト削減を図る。
同社の747を6機保有。いずれも3クラス364席で、ビジネス58席、プレミアムエコノミー36席、エコノミー270席。アッパーデッキ(2階席)にはビジネスクラスを18席設定し、メインデッキ(1階席)は残りのビジネスとプレミアムエコノミー、エコノミーを配置する。
ボーイングの発注リストによると、カンタス航空は57機の747を導入。1971年7月30日に747-200Bを初受領し、747-400は6機の747-400ERを含め、27機導入した。最も新しい機体は、2003年7月30日に受領した747-400ERだった。
747-400は、燃油費の高騰や飛行機の技術的な進歩により、世界的に退役が進んでいる。日本では、全日本空輸(ANA/NH)が2014年3月31日に運航した那覇発羽田行きNH126便を最後に、旅客型が全機退役。初代政府専用機「B-747-400」も2019年3月末に退役した。現在日本国内で運航されている747は、日本貨物航空(NCA/KZ)の747-8F貨物機のみとなる。
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カンタス航空
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