ロールス・ロイスは、2030年までに自社の事業活動における二酸化炭素排出量を実質ゼロにする環境目標をこのほど策定した。国連の低炭素社会推進キャンペーン「Race to Zero」に参画し、自動車や航空エンジンといった業界全体での脱炭素化に取り組む。今年後半に取り組み計画をまとめたロードマップ(行程表)の公表を予定している。
ロールス・ロイスの計画では、2030年までに自社の事業や施設での温室効果ガス排出量を実質ゼロにする。達成に向けて敷地の電力を100%再生エネルギーでまかなうほか、廃材を自社製品として再生する「クローズド・ループ」を活用した金属材料リサイクル、マイクログリッド(小規模電力網)の整備などを進める。
次に2050年に向け、継続的なエンジン効率向上のほか、航空機の電動化、代替燃料の活用、小型のモジュール式原子力発電所の推進といった取り組みに重点を置く。ロールス・ロイスのウォーレン・イーストCEO(最高経営責任者)は「業界でのネットゼロエミッション(純無排出)を2050年までに達成すべく、当社は重要な役割を果たしていく」とコメントした。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2018年10月に発表した報告書では、地球温暖化による深刻な被害を回避するためには、地球の平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5℃以内に抑えることが必要だとしている。国連はIPCC報告書を受けて2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロにする取り組みを提唱しており、ロールス・ロイスもこれに賛同する。
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