エアバスは現地時間6月29日、A330-200を母機とする空中給油・輸送機A330 MRTTを、NATO(北大西洋条約機構)に引き渡したと発表した。NATO向けの初号機で、欧州の6カ国が空中給油のほか、乗客や貨物の輸送、医療従事者の避難活動などに使用する。
NATOはA330 MRTTを8機発注済みで、資金を提供したオランダとルクセンブルク、ノルウェー、ドイツ、ベルギー、チェコの6カ国が運用する。初号機は30日に、拠点となるオランダのアイントホーフェン基地に到着する見込みで、ドイツのケルンでも運用する。
A330 MRTTは、航空自衛隊が新型空中給油機を導入する際に、軍用機を開発・製造するエアバスグループのエアバス・ディフェンス・アンド・スペースが入札を検討していた。同社は選定される可能性がないとして、参加を見送った。空自は2015年10月に、ボーイングのKC-46A空中給油・輸送機の導入を決定した。
・ボーイング、NATO向けE-3改修完了 コックピットを近代化(18年12月19日)
・防衛省、新空中給油機にKC-46A選定(15年10月23日)
・インド政府、空中給油機にA330 MRTT導入へ(13年1月10日)