エアライン, 空港, 解説・コラム — 2020年6月19日 23:30 JST

ANA、後方席から6段階搭乗 JALは優先搭乗維持、移動自粛緩和で違い

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 都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和された6月19日、全日本空輸(ANA/NH)はマイレージサービスの上級会員などの優先搭乗を国際線・国内線ともに一時中止し、後方窓側席から6つのグループに分けて案内する方式に変更した。

羽田空港第2ターミナルで後方窓側席から6つのグループに分けて案内する新搭乗方式をiPadで知らせるANAの地上係員=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

 ANAでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として6月1日から乗客のマスク着用や手指の消毒、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離)の確保といった対策を進めてきたが、移動自粛の緩和で乗客増加が見込まれる19日から搭乗順序を見直した。後方席の乗客から機内に案内することで、乗客が機内で密集する状態を緩和し、通路などでの接触感染を防ぐ狙いがある。

 新方式では、「グループ1」の後方窓側席の乗客から案内。次に「グループ2」の後方中間席、続いて「グループ3」の後方通路席、「グループ4」の前方窓側席、「グループ5」の前方中間席、「グループ6」の前方通路側席の順に案内する。国内線と国際線ともに同じ順序で、羽田空港など自動改札機が複数ある空港には、ANAが加盟する航空連合「スターアライアンス」のゴールドメンバー専用レーンを設置する。専用レーンも各グループごとの搭乗となり、グループ6の座席を予約した乗客がグループ1の乗客を案内中に搭乗することはできない。

後方窓側席から6つのグループに分けて案内するANAの新搭乗方式=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

 これまでの方式は、グループ1がマイレージサービスの最上位会員である「ダイヤモンドサービス」メンバーで、グループ4までの設定だった。このため、搭乗券には従来もグループが印字されていたが、19日からはグループ番号の意味が変更になった。ANAによると、19日から国内・海外を問わず新方式に変更したという。

 ANAは6月に入り、マスク未着用や発熱など体調不良と判断された場合、搭乗を断る場合もあると明確に示しており、乗客に対するマスク着用も要請ではあるものの強く求めている。空港のチェックインカウンターにビニールカーテンを設置するなど、自社の取り組みを「ANA Care Promise」と名付けて告知を強化している。

 一方、日本航空(JAL/JL、9201)は6月から搭乗する順番はそのままで、乗客を10-20人ごとに区切って案内する方式に変更。優先搭乗は19日も変更しておらず、優先搭乗対象客を案内後は後方席の乗客から搭乗し、最後に前方席の乗客を案内している。

 JALによると、搭乗口付近と搭乗橋、機内の各所が過度に混雑しない人数を案内することで、乗客の密集を防いでいるという。今後は混雑状況を見ながら、案内方法を検討していくとしている。

*写真は11枚(ANAの搭乗口→JALの搭乗口の順)。

ANAの搭乗口

後方窓側席から6つのグループに分けて案内するANAの新搭乗方式=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

後方窓側席から6つのグループに分けて案内するANAの新搭乗方式=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

後方窓側席から6つのグループに分けて案内するANAの新搭乗方式=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

後方窓側席から6つのグループに分けて案内するANAの新搭乗方式=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

後方窓側席から6つのグループに分けて案内するANAの新搭乗方式=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

羽田空港の搭乗口左側に用意されたスターアライアンスのゴールドメンバー専用レーン=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

羽田空港の搭乗口前の床に示された乗客の並び位置=20年6月19日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

JALの搭乗口

優先搭乗案内中の羽田空港第1ターミナルの搭乗口に並ぶJAL便の乗客=20年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

後方席案内中の羽田空港第1ターミナルの搭乗口に並ぶJAL便の乗客=20年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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全日本空輸
日本航空

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