ボーイング, 機体 — 2020年6月3日 19:09 JST

ボーイングとエンブラエル、仲裁手続き開始 民間機事業の統合中止で

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 ボーイングとエンブラエルは、中止となった民間機事業の統合について、双方で仲裁手続きを開始した。エンブラエルは頓挫した基本合意について「ボーイングが不正に終了した」と非難する姿勢を示し、ボーイングに対しエンブラエルが被った損害への救済措置を求めている。

ボーイングとの民間機事業統合の交渉が決裂したエンブラエル=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 民間機事業の統合は、民間機事業の新会社「Boeing Brasil – Commercial(ボーイング・ブラジル-コマーシャル)」の株式をボーイングが80%、残り20%をエンブラエルが保有。2017年12月ごろから2年以上交渉を続けてきたが、基本合意の期限である4月24日までに交渉がまとまらなかった。

 両社は翌25日に、民間機事業の統合中止を発表。欧州を除く規制当局から承認を得ていたが、エアバスを擁する欧州では長期化していた。また、中国から拡散した新型コロナウイルスや、2度にわたる737 MAXの墜落事故への対応などで、ボーイングの財務状況が悪化していることも影響したとみられる。

 民間機事業の新会社が発足した場合、ボーイングはリージョナルジェット機「E2シリーズ」など70席クラスの機体から450席クラスの747-8までの旅客機と、777Fなどの貨物機を加えた民間機市場全体をカバーできるようになる計画だった。

 競合のエアバスは、カナダのボンバルディアが開発した小型旅客機「Cシリーズ」の製造や販売を担う事業会社「CSALP(C Series Aircraft Limited Partnership)」を2018年7月に買収。ボンバルディアがCシリーズ開発で経営不振に陥ったためで、エアバスは2018年7月10日にCシリーズをA220に改称し、自社のラインナップに加えている。

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