エアライン, 企業 — 2020年5月18日 23:02 JST

ANA、医療用ガウンの縫製支援スタート 社員がボランティア

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 全日本空輸(ANA/NH)などANAグループは5月18日、社員のボランティアによる医療用ガウンの縫製支援作業の様子を報道関係者に公開した。奈良県の縫製会社「ヴァレイ」が厚生労働省から受託した10万着のガウン製作のうち、約5万着分の作業を手伝う。生地の裁断や検品など1着あたり製作工程の約3割をANAグループが担当し、6月末まで1日最大30人程度の社員が作業にあたる。

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウンを検品するANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ボランティアはANAグループ社内で募集し、約800人の応募があった。パイロットや客室乗務員、運航支援者など職種や性別を問わず120人が選ばれた。プロジェクトを担当するANA企画部企画室の村田加奈子さんは、「医療用ガウンが不足している中、何か支援ができないかと社員から声が上がりました」と話し、部署などのバランスを見ながら抽選で人選を進めたという。

 今回の作業はガウン本体の縫製を手伝うのではなく、ヴァレイ側で人手の確保が難しい検品などを担う。首や腰回りを結ぶガウンの「ひも」の縫製や、「そで」に使う生地の裁断、ヴァレイの職人が縫製を終えたガウンの汚れや破れ、ほつれなどの検品作業、検品を終えた完成品をたたみ、段ボールに箱詰めして出荷準備する作業を担当している。こうした作業分担により、ヴァレイの職人が高度なミシンがけなど専門領域の仕事に特化できるという。

 ボランティアで参加する社員は、ヴァレイのスタッフや同社から事前に作業を学んだ12人の社員から指導を受け、羽田空港近隣にあるANAグループの総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」で作業する。ANAが製作を手伝うガウンは、感染症防護に利用できる医療用アイソレーションガウンで、手術以外の施術や簡易的な処置、面会者・患者用としての使用を想定している。

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウン製作を手伝うANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で完成した医療用ガウンを広げるANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 初日の18日は30人が参加し、検品したガウンは150着だった。ボランティア参加は、1人あたり数日を予定している。18日に参加したボーイング767型機の副操縦士の石塚哲也さんは、「運休で仕事がない中、自分は健康なので何か社会貢献できないかと応募しました」と、参加の動機を話す。副操縦士は機長とともにコックピットで操縦する日々を送っているため、同じ会社でも接点がある職種の社員は限られてくる。「グループの人と接する機会がなかなかないのですが、今回は一致団結して顔を合せる機会がない人とも仕事ができます」(石塚さん)と、他部門の人との接点を得られる点でも参加を希望したという。

 また、医療用フェイスガードの製作にも協力。大田区でカーボン製品を扱う企業「トライキッツ」が同区などから要請を受けて製作するフェイスガード約10万個のうち、約3000個の組立作業について一部をANAグループが担当し、1日あたり約30人いるボランティアのうち4人程度が18日から21日までフェイスガード作りを手伝う。

 ANAは新型コロナウイルスの影響で、5月は国際線の93%、国内線も86%を運休や減便。5月末にはグループ35社の約4万2000人が一時帰休の対象になる。

*写真は15枚。

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウン製作を手伝うANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウン製作を手伝うANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウン製作を手伝うANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウン製作を手伝うANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウン製作を手伝うANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウンを検品するANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウンを検品するANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウンを検品するANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用ガウンを検品するANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で医療用フェイスガード製作を手伝うANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で完成した医療用ガウンを広げるANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの訓練施設「ANA Blue Base」で完成した医療用フェイスガードを着用するANAグループ社員=20年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸
合同会社ヴァレイ
トライキッツ

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