三菱重工業(7011)は4月23日、ボーイングのTier1(1次請け)として展開する民間機製造を一時停止すると発表した。中国から拡散した新型コロナウイルスにより、ボーイングが米本国工場の操業を中断していることによるもの。
一時休止するのは、名古屋市港区にある名古屋航空宇宙システム製作所(大江工場)。5月11日から29日の期間中に、最大10日間停止する。民間機を製造する大江工場以外の国内拠点についても、生産計画の見直しを進める。
三菱重工はボーイングのTier1として787型機の複合材主翼を製造するほか、777の後部胴体などを担当。777の後継となる777Xでは、後部と尾部胴体の開発・製造を担う。このうち787は、機体の構造部位のうち35%を日本企業が中部地域で製造している。三菱重工のほか、川崎重工業(7012)は前部胴体と主脚格納部、主翼固定後縁、SUBARU(7270)は中央翼を担っている。
787を製造する川崎重工とSUBARUの2社は、4月20日から製造を一時休止している。
関連リンク
三菱重工
Boeing
ボーイング・ジャパン
川重・SUBARUも一時休止
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1000機目の構造部位
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