全日本空輸(ANA/NH)は、羽田空港を発着する国際線を第3ターミナル(旧称国際線ターミナル)に集約している。中国から拡散した新型コロナウイルスにより需要が激減しているためで、4月24日までの国際線は計画の87%が運休となっており、25日から5月15日までは90%にあたる3323便を運休・減便。通常通り運航するの成田-ロサンゼルス線のみになるなど、羽田発着の国際線を2つのターミナルで運用することが現実的でないためだ。
ANAは夏ダイヤ初日の3月29日から、羽田第2ターミナル国際線施設の開業に合わせ、6割にあたる21路線の出発ターミナルを変更した。これまでは国内線が第2ターミナル、国際線が第3に乗り入れていたが、第2の中で国内線から国際線へ乗り継ぐ際の最小接続時間(MCT)は55分と従来より15分短くなり、ラウンジも新設した。
しかし、新型コロナウイルスの影響で需要が大きく落ち込み、初日の29日は第2から出発する国際線が8路線にとどまり、昼までに出発した便の中には、3クラス246席仕様のボーイング787-9型機に乗客4人の便もみられた。4月7日夜には、政府が緊急事態宣言を東京都など7都府県に発令されたが、すでに航空会社の予約はその2週間ほど前から減少傾向が顕著になっていた。
ANAは、羽田発着の国際線が乗り入れるターミナルを4月11日から第3に集約。第2への国際線乗り入れ再開時期は未定となっている。
第2の国際線施設は南側に増築。スポット(駐機場)は71-73番の3つが国際線専用、66-69番の4つは内際共用で時間帯により国際線と国内線を使い分ける「スイング運用」を新型コロナウイルスの感染収束後に実施する。国際線施設は3階を出発ロビー、2階を到着ロビーにすることで、同じく2階にある国内線の出発ロビーへ移動しやすくし、国際線から国内線への乗り継ぎ利便性を向上させている。
羽田では現在、駐機する機材が増えているため、国際線の発着が激減した第3のスポットに国内線機材を駐機するなど、通常とは異なる運用を実施している。第2の国際線施設も発着便はないものの、機材を駐機する場所として当面は使用されることになりそうだ。
関連リンク
新型コロナウイルス感染拡大に伴う国際線路線・便数計画の一部変更について(全日本空輸)
全日本空輸
第2ターミナル国際線施設
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