仙台空港を運営する仙台国際空港会社は3月26日、空港会社に出資する東急(9005)出身の鳥羽明門(とば・あきと)氏が、4月1日付で次期社長に就任する人事を発表した。現在の岩井卓也社長は、同日付で代表権のない非常勤の取締役となる。また、3月31日付で管理部長で取締役の前田基氏が、取締役を退任する。
—記事の概要—
・鳥羽新社長「不思議な縁」
・岩井社長「安心して任せられる」
・2020年4月1日以降の役員体制
鳥羽新社長「不思議な縁」
鳥羽新社長は1962年生まれの57歳。神奈川県横須賀市出身で、1987年に東京急行電鉄(当時)入社後、ハワイや米国本土など環太平洋地域での不動産開発に携わり、米国での現地法人で社長を歴任した。2019年2月からは、中部空港でレストランを運営する東急グループのインターナショナルレストランサービス(東京・渋谷)の社長を務めている。
仙台空港で会見した鳥羽新社長は、「身が引き締まる思い。しっかりと勉強し、空港運営を通じて東北復興に貢献したい」と決意を新たにした。
就任後、鳥羽新社長は仙台に移り住む。東北在住は50年ぶりで、以前は3歳から7歳まで青森県むつ市に住んでいたという。「人格形成に大きく関わる時期に東北で暮らした」(鳥羽新社長)ことから、「今回の人事は、不思議な縁を感じる」と述べた。
岩井社長「安心して任せられる」
仙台国際空港会社は2015年11月2日に設立し、当初から東急出身の岩井社長が率いてきた。仙台空港は2016年7月1日から、仙台国際空港会社が運営。国管理空港として初めての民営化となった。
就任からの4年間を「新しいビジネスを立ちあげ、経歴の異なる社員を束ねた。集中して改革し、国から引き継いだ仕事の安全確保もできた」と振り返った岩井社長は、「日本ではだれもやったことのない仕事で、試行錯誤があった。路線の拡大に注力できた」と述べた。今後は非常勤の取締役として、鳥羽新社長を支える。鳥羽新社長については「中部空港でレストランを運営してきた。安心してあとを任せられる」と太鼓判を押した。
岩井社長によると、今回の人事は東急が決定したという。「理由は答えにくい」としつつ「4年間で(会社の)目鼻を付けたつもりでいる。『ギアを一段切り替えろ』、ということだろうと拝察している」と考えを述べた。
仙台空港会社には、議決権比率で東急(9005)が42%、前田建設工業(1824)が30%、豊田通商(8015)が16%、東急不動産が9%、東急エージェンシーと東急建設、東急コミュニティーの3社が各1%ずつ出資。東急グループが、半数を超える54%を占める。
2020年4月1日以降の役員体制
4月1日付の役員体制は下記の通り(役職、氏名の順で敬称略)。
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