中部空港(セントレア)は2月17日、開港15周年を迎えた。第1ターミナル(T1)4階のイベントステージで記念式典を開催し、草花でできた記念モニュメントを披露したほか、オリジナルデザインのネックストラップを来港者にプレゼントした。
—記事の概要—
・犬塚社長「第2滑走路は必要不可欠」
・19年暦年旅客は過去最高
犬塚社長「第2滑走路は必要不可欠」
同空港を運営する中部国際空港会社の犬塚力社長は15年間を振り返り、旅客や空港従事者などに謝辞を述べた。中部空港では現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により中国本土路線が減少している。犬塚社長は「15周年は通過点。(ウイルス問題など)山あり谷あり、乗り越えて前向きにがんばる」と決意を新たにした。
地元からは、第2滑走路の増設を要望する声がある。犬塚社長は10年後の2030年には年間旅客数を2000万人を目標とするとし、第2滑走路は必要不可欠との認識を示した。また「2030年までには、大規模改修も考えなければならない」と述べ、24時間運用を続けながら保全する上でも、第2滑走路が必要だとした。
国土交通省中部空港事務所の松本洋空港長は、2027年に品川-名古屋間で開業するリニア中央新幹線を踏まえ、北米や豪州、インド、欧州などの長距離国際線が必要だとの認識を示した。
開港15周年を記念し、オリジナルデザインのネックストラップを制作。デザインは空港従事者と家族から公募し、母親がグループ会社の中部国際空港旅客サービスで、滑走路ツアーのガイドを担当する高橋春菜さんのデザイン案を最優秀賞に選出した。このほか高橋さんの母親の同僚で、中部国際空港旅客サービスの熊田吉代さんらを優秀賞とした。ストラップは空港内に勤務する各事業者に配布し、来港者約200人にもプレゼントした。
また、15周年を記念したモニュメントも披露した。空港そばの愛知県知多半島の草花で制作したもので、松本空港長と、空港のある常滑市の伊藤辰矢市長のほか、空港内で15年間勤務するスタッフ17人がロープを引き、モニュメントの入った箱を開けた。モニュメントは2月20日までの4日間展示する。
19年暦年旅客は過去最高
中部空港は、愛・地球博開幕直前の2005年2月17日に開港。国内線と国際線を合わせた総旅客数は、万博が開催された2005年度は1235万人だったが、2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災などにより、900万人台に減少した。2015年度以降は訪日客拡大などにより1000万人を上回り、2019年の暦年利用客数は1347万人で過去最高を記録した。
開港当初のターミナルは1つだったが、2019年9月にLCC専用の第2ターミナル(T2)を供用。また2018年10月には、ボーイング787型機の実機を展示するテーマパーク型商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」もオープンした。
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