エアライン, 企業, 官公庁 — 2020年2月6日 16:26 JST

ピーチが考える地方創生とは 展示会でブース出展「主役は地方」

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 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、2月5日から千葉・幕張メッセで開催されている業界向けの展示会・第3回地方創生EXPOにブースを出展している。7日までの期間中、空港などで用意するオリジナル情報誌をピーチのスタッフらがブース前で配布するほか、地方活性化に向けた動画放映などで呼び込みを図っている。中日となった6日は、ピーチで事業戦略室長を務める轟木一博執行役員が講演。ピーチが考える地方創生を紹介し、来場した旅行会社や自治体など、関係者に向けアピールした。

地方創生EXPOに出展したピーチとABCテレビの共同ブース=20年2月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
動画版情報誌も用意
「県境は関係ない」
地方創生「主役は地方」

動画版情報誌も用意

 地方創生EXPOは地方創生に取り組む自治体や旅行会社向けの展示会で、観光振興や訪日客促進など、地方創生を進める企業やサービスが出展する。2018年から始まり、リード エグジビション ジャパン(東京・新宿)が主催する。年1回の開催で、3回目を迎える今回は145社が出展している。

 ブースは業務提携している朝日放送テレビ(ABCテレビ)との共同出展で、ピーチが地方創生EXPOに出展するのは初めて。期間中はオリジナル情報誌『PEACH LIVE』の配布や、ABCテレビと共同制作したグローバル動画サイト「bridging asia」で、関係者にアピールする。

オリジナル情報誌「PEACH LIVE」を手に取るピーチ出展ブースの来場者=20年2月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ピーチとABCテレビの共同ブースでピーチのスタッフから説明を聞く来場者=20年2月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

「県境は関係ない」

 「空の変革で加速する地域創生」をテーマに講演した轟木執行役員は、ピーチの利用客の半数以上が女性で、多くが20代から30代であることから、「LCCという新しい公共交通は、これまでと違う客層が利用している」と紹介。潜在需要を掘り起こすことで、これらの客層が「従来の旅客にプラスして利用する“ポテンシャル”となる」と述べ、地域創生に対する可能性につながる、との認識を示した。

地域創生をテーマに講演するピーチの轟木執行役員=20年2月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 潜在需要の掘り起こしにより獲得した新規顧客は、「既存客を交通機関どうしで奪い合うことはない」と語り、「新しい需要を生み出し、地方に呼び込む」とLCC就航によるメリットを説明した。

 ピーチは1クラス180席のエアバスA320型機のみ運航している。2018年度の平均搭乗率は87.8%で、1便につき160人近くが搭乗していることになる。轟木執行役員は、路線の維持には就航都市だけでなく、周辺の各自治体を含んだ誘客が重要との認識を示し、新潟空港から福島県会津地方や、仙台空港から山形方面など、隣県への送客が進んでいる事例を紹介した。利用客から見ると、「空港からどのくらいのところに何があるのか、が大事になる」とした轟木執行役員は、「利用客からすると、県境は関係ない」と強調した。

地方創生「主役は地方」

地方創生の主役は「地方」と強調するピーチの轟木執行役員=20年2月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 轟木執行役員は地方創生について、「主役は地方」と強調。「潜在的な利用客が地方に行く理由は、地方に魅力があるから」と述べ、「飛行機は移動を実現するツールでしかない」と、航空路線は“引き立て役”だとした。轟木執行役員は各自治体が「魅力をおのおので認識し、発信してもらうことが大切」との認識を示した。各自治体は主体的に動くことが大切で、「しっかりと役割分担して、需要創出型の路線定着ができるパートナー(自治体)とともに進めていく」とした。

 地方創生や活性化は、効果はすぐに表れない。「みんなで『やるぞ!』というエネルギーが高まると、そこから新しいアイデアが出てくる」と述べた轟木執行役員は、各自治体の魅力を伝えるには自治体内での試行錯誤が必要だ、と語った。

 2019年10月に就航した奄美大島は、就航前の同年7月から、ピーチは地元企業などと連携してワークショップを開催。地域活性化について話し合いを進めた。轟木執行役員は奄美就航について「地域としっかりと手を取り合い、いいスタートが切れた」と評価した。

 地域活性は「何が当たるかは分からない」(轟木執行役員)ため、課題が山積みだ。空港と周辺自治体を結ぶ陸路などの二次交通は「地方では誰が出資するのかなどの課題がある」とし、「できること、良いと思えることを1つずつ進めていくしかない。皆さんで協力して、エネルギーを持って進めれば、結果は後から付いてくる」と語った。

 今後は奄美のほか、2018年3月に就航した新潟や、同年8月就航の釧路など「LCC地方路線」を定着させることが重要となる。轟木執行役員は「これらで学んだことを、ほかの地域に展開していく」と語り、一定の成果が出た路線を、今後の地方創生に向けたモデルケースとしていく姿勢を示した。

幕張メッセで開催される第3回地方創生EXPO=20年2月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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ピーチ・アビエーション
朝日放送テレビ
地方創生EXPO

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