エアライン — 2020年1月15日 23:59 JST

19年の定時到着率、アエロフロートが世界一 ANAが2位、アジア太平洋では1位 Cirium調査

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 航空分野のニュースや情報を提供する英国「シリウム(Cirium)」の調査で、2019年の年間定時到着率はアエロフロート・ロシア航空(AFL/SU)が世界一だった。2位には全日本空輸(ANA/NH)が入り、アジア太平洋地域部門では1位になった。

年間定時到着率世界1位となったアエロフロート=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 シリウムは、英RELXグループ傘下の英リード・ビジネス・インフォメーション(Reed Business Information)が擁するブランドの1つ。2019年に航空分野のニュースや情報を提供する英国の「フライトグローバル(FlightGlobal)」や世界最古の航空専門誌「フライトインターナショナル(Flight International)」、航空会社のビジネスに焦点を当てた「エアラインビジネス(Airline Business)」、航空機鑑定評価の「アセンド(Ascend)」など複数のブランドを統合。定時性調査は買収した米フライトスタッツ(FlightStats)がルーツとなる。

 シリウムでは定時到着率の定義を、定刻に対して遅延15分未満で到着した便が全体に占める割合としている。2016年からは、運航会社単体の実績を対象にする「メインライン部門」と、グループ会社の運航便を含めた実績を対象とする「ネットワーク部門」に分類した。

 アエロフロートは世界のメインライン部門の1位で定時到着率が86.68%、同ネットワーク部門はラタム航空が1位で86.67%となった。ANAは世界のメインライン部門とネットワーク部門ともに2位で、メインライン部門の定時到着率は86.26%、ネットワーク部門は86.49%だった。

 アジア太平洋地域部門は、ANAがメインライン部門とネットワーク部門ともに1位。メインライン部門とネットワーク部門とも、2位はシンガポール航空(SIA/SQ)で85.57%だった。

 日系航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)が世界のメインライン部門が82.82%で5位、ネットワーク部門が84.47%で4位。アジア太平洋部門では、メインライン部門が4位、ネットワーク部門が3位だった。

 国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)のカテゴリーに準拠し、フルサービス航空会社(FSC)を「メインライン」、LCC各社を中心とした航空会社を「LCC」としている。LCC部門はスターフライヤー(SFJ/7G、9206)が91.37%で1位、エア・ドゥ(ADO/HD)が90.42%で2位、ソラシドエア(SNJ/6J)が88.05%で3位と上位を日本勢が独占したものの、いずれも日本の分類では1990年代の規制緩和以降に誕生した「新規航空会社」と呼ばれる航空会社で、日本でLCCに位置づけられる航空会社はランクインしなかった。

シリウム調査の年間定時到着率
世界 メインライン部門
1. アエロフロート・ロシア航空 86.68%
2. 全日本空輸 86.26%
3. デルタ航空 85.69%
4. アズール・ブラジル航空 83.53%
5. 日本航空 82.82%
6. アリタリア-イタリア航空 81.87%
7. エールフランス航空 81.15%
8. エミレーツ航空 81.02%
9. 大韓航空 80.30%
10.スカンジナビア航空 79.90%

世界 ネットワーク部門
1. ラタム航空 86.67%
2. 全日本空輸 86.49%
3. デルタ航空 84.63%
4. 日本航空 84.47%
5. イベリア航空 84.24%
6. アズール・ブラジル航空 83.53%
7. アリタリア-イタリア航空 82.19%
8. ユーロウイングス 81.23%
9. エールフランス航空 81.19%
10 エミレーツ航空 81.02%

アジア太平洋地域 メインライン部門
1. 全日本空輸 86.26%
2. シンガポール航空 85.57%
3. タイ・エアアジア 83.74%
4. 日本航空 82.82%
5. 大韓航空 80.30%
6. ニュージーランド航空 79.53%
7. マレーシア航空 78.98%
8. エアアジア 78.30%
9. ヴァージン・オーストラリア 77.45%
10.ゴーエア 76.94%

アジア太平洋地域 ネットワーク部門
1. 全日本空輸 86.49%
2. シンガポール航空 85.57%
3. 日本航空 84.47%
4. タイ・エアアジア 83.74%
5. ニュージーランド航空 82.73%
6. マレーシア航空 80.88%
7. 大韓航空 80.30%
8. カンタス航空 79.05%
9. エアアジア 78.30%
10.ヴァージン・オーストラリア 77.95%

LCC部門
1. スターフライヤー 91.37%
2. エア・ドゥ 90.42%
3. ソラシドエア 88.05%
4. イベリア・エクスプレス 87.05%
5. ビバ・エア・コロンビア 86.94%
6. スカイ・エアライン 85.53%
7. ジェットスター・アジア航空 85.22%
8. タイ・エアアジア 83.74%
9. アズール・ブラジル航空 83.53%
10. エア・バルティック 83.50%

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