エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2020年1月2日 08:22 JST

白い機体に安全運航示すグリーンのチートライン　写真特集・ZIPAIR 787-8の外観

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　2020年5月14日に就航予定の中長距離国際線LCCのZIPAIR（ジップエア、TZP/ZG）。日本航空（JAL/JL、9201）の100％子会社で、当初の機材はJALからリース導入するボーイング787-8型。最初の機体（登録記号JA822J）はJALの787導入2号機で、JALが2010年1月19日の経営破綻後初の新路線として、2012年4月22日に開設した成田－ボストン線初便に投入した機体だ。JAL初の787路線を担った機体が、グループとして新たに参入する中長距離LCCの牽引役を務める。

白い機体に「トラスト・グリーン」を配したZIPAIRの787-8＝19年12月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　成田空港を拠点とするZIPAIRのコーポレートカラーは、メインカラーがグレー、サブカラーがグリーン。グレーを「ハーモニー・グレー」と名付けて「コストと満足度の調和」を、グリーンは「トラスト・グリーン」として「安全運航・定時運航などの高品質なオペレーション」を示した。

　機首のレドームやエンジンカウルなどの交換が発生した際、JALから融通できるようにしている。白い機体にしたのは、JAL機と部品を共通化し、運航コストを抑えるための工夫だ。機体側面に細いグリーンのチートラインを入れ、空の旅が一般化し始めた時代を思い起こさせ、矢が飛ぶように大空を飛ぶ姿をイメージしている。垂直尾翼にはコーポレートカラーのグレーをベースに、シンボルマークを配した。

　座席数は2クラス290席で、内訳はフルフラットシートを採用し、ビジネスクラスにあたる上級クラスの「ZIP Full-Flat（ジップ・フルフラット）」が18席、エコノミークラス「Standard（スタンダード）」が272席となる。JA822Jが就航時の座席数は2クラス186席仕様（ビジネス42席、エコノミー144席）で、約1.5倍になった。また、個人用モニターを全廃したことで、重量が0.5トン軽くなっている。

JALの成田－ボストン線初便に投入されたJA822J＝12年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　JA822Jは、JALにとって2機目の787として、2012年3月27日に羽田空港へ到着。同日に成田へ到着したJALの導入初号機（JA825J）とともに、JALの787路線黎明期を担った機体で、JAL便として塗装変更前最後の運航は、2019年9月6日のホーチミン発羽田行きJL70便だった。塗装は中国・福建省南部の厦門（アモイ）で行い、10月27日早朝に成田へ到着した。

　ZIPAIRは3号機以降、新造機の導入も視野に入れている。2号機（JA825J）は1月末に受領予定で、1年に2機ずつ増やし、就航2年で黒字化を目標に掲げている。1路線目は成田－バンコク（スワンナプーム）線就航後、機材稼働率を高めるため、2路線目の成田－ソウル（仁川）線を同年7月1日に開設予定。就航1年後の2021年にも米西海岸就航を目指し、日本人に人気のハワイも、その後の候補地に含まれている。

　本写真特集では、機体外観を取り上げる。

＊写真は20枚。
＊機内の写真特集はこちら。