日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)は12月16日、沖縄伝統の「紅型(びんがた)」作品を採り入れたクラスJ用ヘッドレストカバーを、那覇空港で公開した。2020年1月1日から導入するもので、1年を通じて琉球紅型の作品を機内で鑑賞できるよう、4カ月ごとに変更する。紅型を採用したヘッドレストカバーは、紅型三宗家をはじめとする紅型職人などの協力を得て制作した。
紅型ヘッドレストカバーは、JTAが運航する全路線で展開し、同社が保有する12機のボーイング737-800型機(2クラス165席:クラスJ 20席、普通席145席)のうち、特別塗装機の「ジンベエジェット」(登録記号JA05RK)と「さくらジンベエ」(同JA06RK)を除く10機のクラスJに使用する。
4月30日までの第1弾は、300年以上の歴史がある「城間びんがた工房」が制作した作品「海中艶(かいちゅうえん)」を採用。5月1日から8月31日までの第2弾は「知念紅型研究所」、第3弾となる9月1日から12月31日までは「やふそ紅型工房」がデザインを担当する。
第1弾の海中艶は、城間びんがた工房が得意とする“海”をテーマに、サンゴのまわりを泳ぐ熱帯魚を色鮮やかに描いた。機内でも紅型の美しさを表現できるよう、琉球王朝時代の王の色であった黄色をベースに、本格的な紅型の美しさを追求したという。同工房の城間栄市さんは、「ヘッドレストカバーは、かわいらしさと沖縄らしさを特に意識した。たくさんの人が沖縄の文化に興味を持ってほしい」と作品制作の狙いを語った。
JTAは、紅型ヘッドレストカバーの採用にあわせ、さまざまな形で紅型の魅力を発信していく。1月から機内に搭載するJTA機内誌「コーラルウェイ(Coralway)」で紅型を特集し、1月と2月は機内で城間びんがた工房がデザインしたハンカチと、紅型三宗家「知念家」がパッケージをデザインしたチョコレートを販売する。
紅型は、京友禅や加賀友禅、江戸小紋と並ぶ日本の代表的な染物で、起源は14-15世紀のころと言われている。沖縄で誕生した唯一の染物で、現在もすべての工程が手仕事で、昔ながらの技法を守り続けているという。
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