全日本空輸(ANA/NH)は11月16日、国内線新仕様の改修初号機となるボーイング777-200型機(登録記号JA715A)を就航させた。上級席「プレミアムクラス」と普通席ともに個人用モニターや電源コンセントを設けた新シートを採用した機材で、羽田-福岡線(NH243/250)、羽田-伊丹線(NH27/32)、羽田-札幌(新千歳)線(NH75/82)の1日3往復6便に投入する。
新仕様機の座席数は2クラス392席(従来は405席)で、プレミアムクラス28席(同21席)と普通席364席(同384席)。新シートは787-8にも導入する計画で、2クラス312席(同335席)でプレミアム28席(同12席)と普通席284席(同323席)になる。
*普通席の搭乗記はこちら。
—記事の概要—
・電動リクライニングのプレミアム
・1列10席普通席も疲れにくく
・JA715Aの初日運航実績
電動リクライニングのプレミアム
プレミアムクラスは、サフラン・シート・US(旧ゾディアック・シート・US)製シートを採用。表面を現行の革張りから布地に変更することで、滑りにくくした。個人用モニターは、ANAの国内線用中大型機では最大サイズとなる15.6インチのタッチパネル式のものを採用した。座席配列は2-3-2席の1列7席となる。
電源コンセントや充電用USB端子をセンターアームレスト内に設置して目に付きやすくしたり、クラス最大となるシート幅は56センチで、3人掛け中央のみ52センチ。電動リクライニングのほか、座席横にペットボトルなどが収納できる小物入れを設け、使い勝手を良くした。テーブルは90度回転する大型のものを採用し、座席間には大型ディバイダー(間仕切り)を設置してプライバシーを確保しつつ、2人連れでも会話しやすいようにした。
プレミアムクラスの機内デザインは、長距離国際線用777-300ER新仕様機を監修した英国のデザイン会社Acumen(アキュメン)が担当。777-300ER新仕様機のファーストクラスと連続性がある落ち着いたデザインにした。
1列10席普通席も疲れにくく
普通席はトヨタ紡織製。大柄な人から小柄な人まで、どのような体格の人が座ってもフィットするよう、背もたれのフレーム形状を最適化したり、座面を低くした。また、11.6インチの個人用モニターを採用し、テーブルのカップホルダーはクローバー型に変更することで、紙コップを取り出しやすくした。
座席配列は3-4-3席の1列10席となるものの、シート形状を工夫したことで疲れにくくしている。電源コンセントと充電用USB端子も設置。小物入れは中が見えるようにし、スマートフォンなどを入れても忘れにくくした。
新仕様機は777-200が8機、787-8が11機で、777から順次改修を進めて2022年度上期までに導入する。大型機の777-200は羽田-福岡線と伊丹線、札幌線、那覇線といった幹線に投入し、787-8は地方路線でも使用する。
就航初日の16日は記念イベントを開かず、通常通りの運航となった。私は3路線のうち最後に運航する羽田-札幌線に搭乗。比較的フライト時間が長い路線で、どのように感じたかを追って搭乗記でリポートする。
*写真は10枚(就航初日の運航実績は写真下に掲載)。
*写真特集はプレミアムクラスがこちら、普通席はこちら。
*機内の動画はこちら。
JA715Aの初日運航実績(定刻/実績)
NH243 羽田(08:20/08:27)→福岡(10:15/10:22)
NH250 福岡(11:20/11:21)→羽田(13:00/12:52)
NH27 羽田(14:00/14:06)→伊丹(15:05/15:15)
NH32 伊丹(16:00/16:04)→羽田(17:10/17:12)
NH75 羽田(18:00/18:07)→札幌(19:35/19:36)
NH82 札幌(20:30/20:32)→羽田(22:10/22:10)
ANA 777国内線新仕様機の動画ニュース(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・ANA、777国内線新仕様機公開 個人モニターと電源付き新シート
搭乗記・ANA 777国内線新仕様機
前編 疲れにくい画面付き普通席
写真特集・ANA国内線777新シート
プレミアムクラス編 15.6インチモニターと落ち着いた空間
普通席編 骨盤支えて疲れにくい全席画面・電源付きシート
ANAの国内線新シート777実機の機内
・ANA、777国内線新仕様機公開 モニター・電源付き新シート(19年11月14日)
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プレミアムクラス編 15インチモニターと電動リクライニング(19年6月4日)
普通席編 骨盤支えて疲労軽減(19年6月8日)