全日本空輸(ANA/NH)は11月5日、那覇空港国内線出発カウンターリニューアルした。レイアウトやデザインを変更し、自動手荷物預け機「ANAバゲージドロップ(ABD=ANA Baggage Drop)」を導入。預け荷物の待ち時間短縮を目指す。
ANAによると、那覇空港は手荷物の預け入れが多く、繁忙期は最長で約1時間待つことがあるという。ABD導入により処理能力が約1.4倍になり、30分程度に短縮を目指す。2015年7月に導入した羽田空港第2ターミナルの場合、導入前は最大50分かかっていた待ち時間が、現在は10分程度に抑えられているという。ABDに慣れている人であれば、1分から1分半弱で預けられる。
ABDはオランダのScarabee社製で16台導入。羽田などへ導入しているものと同じで、日本語と英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語の4カ国語に対応している。また、那覇では空港の改修作業が進んでおり、チェックインカウンター前での手荷物のX線検査をなくす「インライン・スクリーニング・システム」を今年3月から導入している。
ANA沖縄空港支店の小林克巳支店長は、「那覇は大きな手荷物が大量に持ち込まれるので、ピーク時は行列ができていた。新千歳ではABD導入は絶大な効果があり、那覇も効果を期待したい」と語った。5日はABDの利用者と那覇に到着した乗客に、ABD導入を記念したレジャーシートがプレゼントされた。
今回の改修により、手荷物カウンターは従来の28ブースを11ブースと半数以下に削減。有人カウンターも7ブースあったものを5ブースに減らした。
カウンターのレイアウトは、自動チェックイン機やABDを集約配置した。出発カウンターのレイアウトを変更し、障がい者など手伝いを必要とする人向けの「スペシャルアシスタンスカウンター」を導入したほか、大きな文字やピクトグラム(絵文字)などを採用し、利用者の動線をわかりやすくする。
ANAでは、新デザインの空港カウンターによる手続きなど、新たな搭乗の流れを「FAST TRAVEL(ファストトラベル)」と呼んでおり、羽田と新千歳、福岡、那覇、伊丹へ順次導入。空港での手続きをわかりやすくし、待ち時間の短縮を狙っている。
那覇のラウンジは改修済みで、2月28日にマイレージサービスの最上級会員向け「ANAスイートラウンジ(ANA SUITE LOUNGE)」を刷新。一般会員向け「ANAラウンジ(ANA LOUNGE)」も、9月3日にリニューアルオープンした。
*動画1本と写真11枚。
関連リンク
全日本空輸
自動手荷物預け機の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
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