ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は冬ダイヤ初日の10月27日、成田空港のターミナルを変更した。年度内に統合するバニラエア(VNL/JW)が前日の26日に運航を終了したことで、バニラが使用していたLCC専用の第3ターミナル(T3)へ移転した。同時に成田空港を拠点化し、国際線の運航も開始する。
—記事の概要—
・井上CEO「2社で強力なスクラム」
・T1から移転
井上CEO「2社で強力なスクラム」
T3発の初便となったのは関西行きMM312便で、定刻から20分遅れの午前7時55分に出発。147人(うち幼児0人)が利用した。同便にはバニラが運航し、ピーチ仕様に改修したエアバスA320型機(登録記号JA13VA)を投入した。
初便が出発したT3の163番ゲート付近では、ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)らが同便の利用客にコーヒーや菓子などを手渡し、T3への移転とバニラとの統合を祝った。井上CEOは記念セレモニーで「バニラを新たな仲間に加え、ピーチが変わる。2社で強力なスクラムを組む」と決意を新たにした。
成田空港はバニラが拠点としていた。統合後のピーチも引き続き拠点として活用する。井上CEOは「拠点化により、首都圏からアジアが近くなる」と述べた。従来は路線数が少なく、首都圏の利用客への訴求が不十分だったとした井上CEOは「路線数の増加により認知度が上がっていく」との認識を示した。
ピーチは『ランウェイ24』や『おっさんずラブ』など、連続ドラマへの撮影協力を通じ、首都圏を中心としたプロモーションを展開している。
T1から移転
ピーチは2013年10月27日の成田就航時から、第1ターミナル(T1)を使用していた。従来の成田路線は国内5路線のみで、27日からはバニラからの移管路線となる台北線と高雄線の2路線を運航する。12月26日からは石垣線も運航し、国内線は6路線となる。
現在運航する国内5路線のうち、ピーチが開設し運航を継続しているのは関空と福岡の2路線のみ。札幌と那覇の2路線は開設後に運休し、バニラからの移管により再就航した。残り1路線はバニラが開設した奄美大島線で、10月1日からピーチ路線として運航を開始した。
移転前日となった10月26日夜には、T1から発券用の端末などを移動。同日夜から翌27日朝方までセットアップ作業を続け、初便となった関西行きMM312便の受付開始となる午前6時5分に間に合わせた。
関連リンク
ピーチ・アビエーション
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