日本の各地に大きな被害をもたらした台風19号の影響で、10月12日から13日の2日間は、日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)の大手2社だけで、羽田空港や成田空港の発着便を中心に2170便が欠航。34万8950人に影響が及んだ。
両空港に飛行機を駐機しておくと、強風の影響で機体が壊れる可能性などがあることから、両社は国内外の空港へ機体を避難させた。台風が日本列島を通過後は、こうした機材を使って各地から羽田や成田へ向かう定期便の早期再開につなげた。
12日から14日は3連休とあって、日本人に人気が高いハワイへ出掛けた人も多かった。台風が12日に日本へ上陸したことから、ホノルル市内やダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)で多くの人が足止めされた。
—記事の概要—
・JAL:12日からホノルル発
・ANA:A380臨時便投入
JAL:12日からホノルル発
JALでは、12日は4便運航予定だった成田発ホノルル行きとコナ行きの計5便がすべて欠航。ホノルル発便も、12日に日本へ到着する現地時間11日の成田行きJL789便と中部行きJL793便、12日発の成田行きJL781便が欠航したことから、臨時便を運航した。
JALのホノルル臨時便は、12日にホノルル発成田行きを2便、中部行きを1便の合わせて3便運航。13日から16日にかけても、ホノルル発成田行きの臨時便を1日1便ずつ運航する。
機材はボーイング787型機や767を投入しており、成田からホノルルへ向かう往路は航空券を販売せず、フェリーフライト(回航)とした。
ANA:A380臨時便投入
5月24日から成田-ホノルル線に総2階建てのエアバスA380型機(4クラス520席)を投入したANA。2020年春までに3機導入予定で、就航済みのカラーリングが青色の初号機(登録記号JA381A)と緑色の2号機(JA382A)は、台風19号が日本列島を通過するまではホノルルに駐機していた。
12日はホノルル路線6便が全便欠航。13日も成田行きNH181便とNH183便、成田発NH182便とNH184便の合わせて4便が欠航となった。いずれもA380で運航予定の便だった。
成田-ホノルル線は現在、週14往復(1日2往復)のうち週10往復がA380による運航便。現地時間13日は日曜日で、2便ある成田行きを両方ともA380で運航する日で、満席時は合わせて約1000人を運ぶ予定だった。
14日夜は、NH181便で成田へ夕方戻った初号機を臨時便に投入。ホノルル行きNH1902便として乗客270人(座席を使わない幼児5人含む)を乗せ、成田を午後7時54分に出発した。同機は折り返しの成田行きNH1903便として、満席となる乗客526人(同6人含む)を乗せて午後2時34分にホノルルを出発し、15日午後5時16分に成田へ到着した。また、14日昼に成田へ戻った2号機は、ホノルル行きNH184便に投入し、成田を午後8時17分に出発した。
両社では台風などで大量の欠航が発生し、定期便だけでは対応しきれない場合に、今回のような臨時便を運航している。ANAでは、A380就航後では初の大規模なイレギュラー対応となった。
台風19号
・ANAとJAL、台風19号で2170便欠航 2日間で35万人影響(19年10月13日)
・ANA、羽田-富山臨時便 台風19号影響で(19年10月14日)
JALのハワイ
・JALとハワイアン航空の共同事業、独禁法適用除外認めず 米運輸省(19年10月4日)
・JAL、嵐デザインの787-9就航 20年末まで、ホノルル線に(19年5月23日)
・JAL、地方発チャーターでハワイ需要開拓 A380対抗、定期便は供給減(19年4月26日)
ANAのハワイ
・ANA、ホノルルでファーストクラス客の優先入国 専用車で移動、10月開始(19年9月30日)
・【空撮】空飛ぶウミガメ、ホノルルに2機揃い踏み ANAのA380、週10往復に(19年7月3日)
・「ほかの飛行機より静かだよね」搭乗記・空飛ぶウミガメ ANA A380(前編)(19年7月22日