9月29日から10月5日までによく読まれた記事をまとめました。一番読まれたものは、9月26日に伊丹空港で起きた男性客によるナイフ持ち込みの続報記事でした。
第1位 伊丹ナイフ男、羽田も見逃しジャカルタへ 8600人超に影響
伊丹で全日本空輸(ANA/NH)から委託を受けた警備会社「にしけい」の係員が、男性客の手荷物からナイフを発見したものの、男から持ち込んで問題ない旨の説明を受け、保安検査を通過させました。
ANAによると、男は伊丹午前7時30分発予定の羽田行きNH14便に搭乗して羽田に向かい、同社の羽田発ジャカルタ行きNH855便に乗り継いで出国していたことがわかりました。羽田の国際線ターミナルでは、ANAから委託を受けている警備会社「ジェイ・エス・エス(JSS)」がナイフを見逃しており、発見して返却した伊丹とは別の問題が露呈しました。
この影響で26日は国内線71便に欠航や遅延が生じ、8653人に影響。航空法第86条では、刃物をはじめとする危険物の機内持ち込みを原則禁止しており、男の行為はこれに違反するものです。
羽田の国際線ターミナルの保安検査は、旅客はX線検査のみで、係員が疑問を感じた時のみ開披検査を実施しています。一方、同じターミナルでも従業員用の保安検査場はX線検査に加えて開披検査を常時行っており、ターミナルを運営する東京国際空港ターミナル(TIAT)の防災保安部は、検査場により基準が異なるダブルスタンダードで運用しています。氏名に加えて勤務先や自宅などが特定できている従業員と、偽名を使っている場合すらある旅客で基準が異なる現状が、本当に妥当なのかは疑問に感じるところです。
また、先週の記事でも触れましたが、保安検査を航空会社が警備会社に委託する現在のやり方が妥当なのか、諸外国のように国が主体となって実施すべきなのかは、この機会に議論すべきテーマであると当紙では考えています。
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