日本航空(JAL/JL、9201)の東京-シドニー線が、9月30日で就航50周年を迎えた。成田空港ではこれを記念し、乗客に記念品が手渡された。
JALは1969年9月30日に、香港経由で羽田-シドニー線を週2往復で開設。機材はダグラスDC-8-62型機で、給油のためマニラに寄港していた。1975年4月2日からは機材はそのままで直行化し、1978年5月20日に成田空港が開港後は成田発着となり、1981年7月3日からはシドニー線にジャンボの愛称で親しまれたボーイング747型機が就航した。また、定期便就航前の1963年9月6日には、羽田-シドニー間のチャーター便がDC-8-50で運航された。
現在の成田-シドニー線は週7往復(1日1往復)で、機材はボーイング787-9型機の長距離国際線仕様。シートレイアウトは座席数3クラス195席のE71配列と呼ばれるもので、ビジネス44席、プレミアムエコノミークラス35席、エコノミークラス116席となっている。
JALで国際旅客販売本部長を務める柏(かしわぎ)頼之執行役員は、「就航当時は16時間かかっていたが、現在は10時間弱。特典航空券など無償客を含めた搭乗率は80%後半から90%台と好調で、日本発と海外発の需要は半々くらいだ」と、好調さに触れた。
リチャード・コート駐日豪州大使は、「豪州人は日本での滞在期間も長く、地方も訪れている。日豪はバランスの取れた互恵関係だ」と、双方向で往来が好調な両国関係にふれた。
日豪間はJALや全日本空輸(ANA/NH)、カンタス航空(QFA/QF)とFSC(フルサービス航空会社)が就航するほか、ジェットスター航空(JST/JQ)など中長距離LCC(低コスト航空会社)も乗り入れている。柏氏は「LCCとは住み分けができており、バランスが取れている」と現状を分析し、FSCとLCCでは顧客層が異なり、新規需要の開拓につながっているとの見方を示した。
一方、2020年3月開始の夏ダイヤで成田から羽田へ移管する路線については、明言を避けた。
30日の成田発シドニー行きJL771便(787-9、登録記号JA861J)は、満席となる乗客198人(座席を使用しない幼児3人含む)を乗せ、定刻より32分遅れの午後7時52分に成田を出発。シドニーには、3分早着となる現地時間10月1日午前6時7分に到着する見通し。
運航スケジュール
JL771 成田(19:20)→シドニー(翌日06:10)
JL772 シドニー(08:15)→成田(17:05)
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