日本航空(JAL/JL、9201)は9月27日、伊丹空港で働く地上係員(グランドスタッフ)の接客技術を競う「伊丹空港 空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」を開いた。12人の出場者の中から、空港オペレーション部VIPグループの小田悠さんが優勝の栄冠を勝ち取った。上位に入賞した2人は、全国の地上係員が接客技術を競う11月の本選に出場する。
コンテストは2012年に第1回が開催され、今年で7回目。昨年は旅客システム刷新作業のため開かれず、2年ぶりの開催となった。4つの部署に所属する270人から選考を勝ち抜いた12人が参加し、アナウンス技術とチェックインカウンターの接客で伊丹代表の座に挑んだ。
今回のアナウンス審査では、搭乗口でイレギュラーが発生したことを想定した内容で、「わかりやすさ」「伝わりやすさ」をポイントに審査。課題は「台風の影響で出発1時間前になっても前便の飛行機が出発空港を離陸できず、まもなく出発できる見込みだが、天候によってはさらに遅れが拡大してしまう状況」とされ、日本語と英語による2分程度のアナウンスを、仲間や上司のアドバイスを受けるなど1週間ほどかけて用意した。
乗客へお詫びの言葉を伝えるタイミングの違いや、次の案内を何分後にするのかを具体的に伝える人、悪天候での搭乗に対しての不安をやわらげる言葉を入れる人など、アナウンス内容や話し方に出場者の個性が見られた。
カウンターチェックインのロールプレイでは、コミュニケーション力や第一印象、表情、身だしなみ、立ち振る舞い、手際の良さなど、さまざまな点を対象に審査した。「ラグビー観戦を目的に搭乗する乗客」や、「英語を話す外国籍の乗客」、「ベビーカーに乗せた幼児連れの乗客」の3つの条件を設定。目の前で対応する乗客だけでなく、並んでいる乗客の求めに対する気付きなども審査対象となり、5分の持ち時間で実力を発揮した。
審査の結果、優勝の小田さんのほか、準優勝に空港オペレーション部第3グループの三浦裕以子さんが選ばれた。小田さんは優勝を告げられた瞬間、やや驚きと戸惑いの表情を見せたものの、賞状と花束を受け取ると笑顔がこぼれた。
この日を「刺激的な1日になった」と表現した小田さんは、細かな気付きや弾む会話ができなかったことが反省点だという。一方で、悪天候時の飛行機が得意でないという自身の気持ちをもとに、アナウンス審査では同じ不安をもつ乗客へ、「安心してください」のひとことを伝えられたのがよかったと話した。
11月に開かれる全国の地上係員が接客技術を競う「第7回空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」には、優勝の小田さんと準優勝の三浦さんが、伊丹代表として出場する。
*写真は11枚(写真下に出場者名掲載)。
空港サービスのプロフェッショナルコンテスト出場者(敬称略、括弧内は所属)
小田 悠(空港オペレーション部VIPグループ)優勝、出場権獲得
土肥 由季(空港オペレーション部VIPグループ)
濱口 晃帆(空港オペレーション部VIPグループ)
黒川 紗耶(空港オペレーション部第1グループ)
中村 真由香(空港オペレーション部第1グループ)
君島 葉月(空港オペレーション部第2グループ)
児山 美咲(空港オペレーション部第2グループ)
楢木 亜友美(空港オペレーション部第2グループ)
藤川 愛(空港オペレーション部第2グループ)
桝井 香那絵(空港オペレーション部第3グループ)
三浦 裕以子(空港オペレーション部第3グループ)準優勝、出場権獲得
三瀬 景子(空港オペレーション部第3グループ)
各地のコンテスト
・JAL、成田空港の接客No.1に宮里さん N-1グランプリ、2年ぶり開催(19年9月5日)
・JAL、各空港で接客コンテスト代表選出進む 1月に本選(17年12月7日)
第6回空港サービスのプロフェッショナルコンテスト
・JAL、空港接客No.1に羽田・永見さんと釜山・キムさん 聴覚障がい対応も(18年3月3日)
・「どうしたら伝わるか」同僚からも学ぶ 特集・JAL空港接客No.1 永見さんに聞く(18年10月28日)