旧日本エアシステム(JAS)が1996年4月1日から運航を開始し、先週3月30日で17年間の運航に幕を閉じた日本航空(JAL、9201)の旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-90型機。最終便となった広島発羽田行きJL1614便(運航乗務員2人、客室乗務員3人、乗客150人満席)の到着は、定刻より46分遅い午後9時42分だった。別れを惜しむ人で広島出発も44分遅れたが、羽田到着後もなかなか乗客の降機が完了しなかった。
当紙ではJALのパイロットと整備士に機体の特徴や、これまでの運航について伺う座談会を開き、MD-90について語っていただいた(前編と後編)。座談会の特集では、機体の特長など外観に関する写真を中心に載せたが、2回に渡る今回の写真特集は、機内を取り上げる。運航最終日は当日になり乗れなくなった人もいたそうなので、ぜひご覧いただきたい。
座談会に参加していただいたMD90運航乗員部(取材当時)の宮﨑利夫機長は、1980年12月にJASの前身東亜国内航空(TDA)に入社し、日本航空機製造YS-11型機や、DC-9、MD-81、MD-87、MD-90に乗務してきた。MD-90について「操縦しやすい機体。最初は(操縦システムが)ハイドロ(油圧)になって戸惑いましたが、変わって良かったです」と振り返ると共に、整備性を良くするため低く抑えられた地上高故に、横風を受けると翼端を擦りやすい面もあったそうだ。
こうしたパイロットや整備士らの手によって運航されてきたMD-90。座席数は150席でクラスJ18席、普通席132席の2クラス構成で、客室に入ると東海道新幹線のように普通席は1列5席の左右非対称な配列が特長だった。記者が撮影していると、「モニターも出しましょうか?」とJALエンジニアリング(JALEC)羽田航空機整備センターの田倉正尚マネジャーが頭上のモニターを出してくださり、さまざまな写真を残すことができた。
後編ではコックピットやギャレーなどを取り上げる。
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