中部空港(セントレア)を運営する中部国際空港会社は9月18日、20日から供用を開始するLCC用第2ターミナル(T2)の開業記念祝賀会を開いた。会には国会議員や地元の首長ら、およそ300人の関係者が出席した。
*20日に供用開始しました。記事はこちら。
—記事の概要—
・「ポテンシャルあふれた中部地方」
・LCC 11社中5社移転
・犬塚社長「韓国減便大きく影響しない」
「ポテンシャルあふれた中部地方」
祝賀会を開催した中部国際空港会社の犬塚力社長は「中部地方はたくさんの観光資源があり、ポテンシャルにあふれている。地域と連携しながら観光を盛り上げていきたい」と述べ、地域との関係を強化する姿勢を示した。
愛知県の大村秀章知事もあいさつし、犬塚社長と9月上旬に訪問したベトナムなど東南アジアでのエピソードを披露した。ベトナムではベトナム航空(HVN/VN)とベトジェットエア(VJC/VJ)を訪れ、両社に対し新路線を要望した。
このうちベトジェットは、2020年6月にホーチミン線、7月にハノイ線、11月にダナン線の中部3路線を開設する計画があるという。大村知事は唾(つば)を眉に付ける仕草をしつつ「いずれにしても大いに期待している」と述べ、T2が「人であふれかえることを望む」と、今後の発展に期待を寄せた。
祝賀会に出席した伊藤忠彦衆議院議員(自民・愛知8区)は乾杯のあいさつで、「未完成の中部空港には、第2滑走路が必要だ」と訴え、空港の発展には地元が要望する滑走路の増設が不可欠だとした。
LCC 11社中5社移転
現在のターミナルはT2の供用開始に伴い、「第1ターミナル(T1)」に改称する。T2はT1から300メートルの空港島南側に建設。鉄道や高速船が発着するアクセスプラザからの距離は550メートルで、2018年10月にオープンしたボーイング787型機を展示する複合商業施設「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームス)」内部を経由し、約7分で着く。バスやタクシーはT2に直接乗り入れ、駐車場も近くに新設したが、アクセスプラザやT1からの連絡バスはない。
T2は20日午前4時40分に供用を開始する。中部を拠点とするエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)とジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の2社のほか、エアプサン(ABL/BX)とチェジュ航空(JJA/7C)、ティーウェイ航空(TWB/TW)の韓国のLCC 3社も使用し、いずれもT1から移転する。
中部空港に就航するLCCは11社で、日本の航空会社はエアアジア・ジャパンとジェットスター・ジャパンの2社。残り9社は海外の航空会社で、韓国の3社のほか、中国の春秋航空(CQH/9C)、香港の香港エクスプレス航空(HKE/UO)、台湾のタイガーエア台湾(TTW/IT)、フィリピンのセブパシフィック航空(CEB/5J)、タイからはタイ・エアアジアX(TAX/XJ)とタイ・ライオン・エア(TLM/SL)が乗り入れている。
犬塚社長「韓国減便大きく影響しない」
犬塚社長はT2への移転を決定していない6社について「検討していただいているところもある」とし、今後も話し合いを継続する姿勢を示した。
日本と韓国の両国関係の悪化に伴い、国内の各空港では韓国路線の運休や減便が相次いでいる。中部空港でもティーウェイ航空のソウル(仁川)線やエアプサンの釜山線などで減便があったものの、大きな影響は出ていない。
韓国線の現状について犬塚社長は「ほかの空港と比較すると韓国路線が占める割合が少ない。インバウンド(訪日客)よりもアウトバウンド(出国日本人)のほうが多い」と述べ、大きく影響しないとした。一方で関係悪化については「長引いているようなので」とし、注視するとした。
大村知事と訪問したベトジェットで、3路線の就航計画を聞いた犬塚社長は「正直驚いた」とし、「これからしっかりと詰めていきたい。実現したらありがたい」と語った。伊藤議員が触れた第2滑走路については「期待をひしひしと感じている。必要である、と思ってもらえるような実績を上げることが課題」と述べるに留めた。
関連リンク
第2ターミナル(中部国際空港)
20日に供用開始
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