中部空港(セントレア)を運営する中部国際空港会社は9月17日、20日から供用を開始するLCC用第2ターミナル(T2)の内部を報道関係者向けに公開した。中部を拠点とするエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)とジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の2社のほか、韓国のLCC 3社の計5社が現ターミナルから移転する。
*20日に供用開始しました。記事はこちら。
—記事の概要—
・5社移転
・出発ロビーは滑走路イメージ
・総合訓練で問題洗い出し
・午前4時40分オープン
5社移転
現在のターミナルはT2の供用開始に伴い、「第1ターミナル(T1)」に改称する。T2はT1から300メートルの空港島南側に建設。鉄道や高速船が発着するアクセスプラザからの距離は550メートルで、2018年10月にオープンしたボーイング787型機を展示する複合商業施設「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームス)」内部を経由し、約7分で着く。バスやタクシーはT2に直接乗り入れ、駐車場も近くに新設したが、アクセスプラザやT1からの連絡バスはない。
チェックインや入国審査などができる本館と、利用客が乗降するサテライトの2棟で構成し、いずれも2階建てで延床面積は約4万5000平方メートルとなる。1階が到着エリア、2階が出発エリアで、LCC用ターミナルとしては国内初となる自動手荷物預け機を6台設置する。また、新型の保安検査機「スマートレーン」や高性能X線機器などの保安検査設備を導入し、利便性向上を狙う。
供用開始から入居するのは5社で、国内線はエアアジアとジェットスターの2社使用する。国際線は2社に加え、エアプサン(ABL/BX)とチェジュ航空(JJA/7C)、ティーウェイ航空(TWB/TW)の韓国のLCC 3社も使用し、いずれもT1から移転する。
スポット(駐機場)は71番から80番までの10カ所で、このうち国際線で固定運用するのは71番から74番までの4カ所、国内線は79番と80番の2カ所が固定となる。75番から78番までの4カ所は国内線と国際線で利用できる「スイングゲート」で、シャッターの開閉により内際で使い分ける。いずれも2階から1階に降り、搭乗橋(PBB)を利用せず、エプロンルーフ内を徒歩で進んで機体に向かう。車いす利用者はエレベーターなどを利用できる。
このほか、バスで機側へアクセスできるゲートを内際に設ける。国際線は701番と702番、国内線は801番と802番の2カ所ずつ計4カ所を設置。ゲート数は合わせて14カ所となる。
年間旅客数は、国際線300万人と国内線150万人の計450万人を計画。供用開始時は国内5都市へ1日14便、国際線は6都市へ週45便が就航する。
T2内の施設や設備については、中部に本社を置くエアアジア・ジャパンが空港会社と連携し、計画を進めてきた。エアアジアのチェックインカウンターには最新機機を導入し、将来的には顔認証でのチェックインも可能になるという。
出発ロビーは滑走路イメージ
出発ロビーは滑走路をイメージしたデザインを採用。到着ロビーには和のデザインを取り入れ、カジュアルな旅を演出する。
商業施設は14店舗で、免税店を含む物販店が6店舗、飲食店が3店舗、サービス店が5店舗。免税店では化粧品や酒、タバコなどを取り扱う。このほかT2の商業エリア機能は、隣接するFlight of Dreamsが担う。
総合訓練で問題洗い出し
T2では供用開始前となる9月3日に、模擬旅客による「旅客ハンドリング総合訓練」を実施。国際線を想定した訓練で、チェックインから保安検査、出国手続きを経て搭乗口を通過するまでを流れで問題点を洗い出した。
訓練では、搭乗ゲートエリアの空調や充電用コンセントの不足などの問題点が見つかったほか、到着ロビーの手荷物搬送ベルトから発生する音の大きさや、館内アナウンスの音量が小さかったことも分かり、いずれも訓練後に変更した。また、床面にデザインした消費カロリーは、訓練時に「k(キロ)」が抜け「6cal」などと表示していたが、17日までに「6kcal」などへ修正を完了した。
午前4時40分オープン
20日は午前4時40分に供用を開始する。到着初便はジェットスターのマニラ発GK94便で、午前5時30分に到着する見込み。出発初便はエアアジアの札幌行きDJ1で、午前7時25分の出発を予定する。
国際線の出発初便はエアアジアの台北(桃園)行きDJ803便で、午前7時45分に出発する。国内線の到着初便はジェットスターの鹿児島発GK690便で、午前11時10分に到着する見込み。
*写真は12枚。
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