1年半近いアリゾナ州フェニックスでの訓練を終えた日本航空(JAL/JL、9201)のパイロット訓練生たちは帰国し、東京でボーイング737型機のシミュレーター訓練を半年ほど受ける。これをクリアすると、いよいよ737の実機を使ったグアムでの訓練飛行に進む(前回の記事はこちら)。
実機訓練を実施するのは、JALの定期便も乗り入れるアントニオ・B・ウォン・パット・グアム国際空港。訓練生たちは、フェニックスで737の操縦特性に近いセスナ サイテーションCJ1+を使い、ジェット機の操縦経験を積んだ。グアムでは、商業運航と同じくトーイングカーによるプッシュバックで駐機場から出発し、グアム島周辺を飛行して訓練を重ねる。
グアムの訓練をパスすると、商業運航便のコックピットにオブザーブで乗務して路線訓練を半年ほど受け、試験に合格すると晴れて副操縦士に昇格する。
—記事の概要—
・教育しすぎない
・「自分で考えるパイロットに」
教育しすぎない
「初めて実機を自然環境で動かすことに意義があります。たまたまグアムになりましたが、周辺に山があるので、風などに気をつけるのが第一歩です」と、737の訓練教官を務める機長の日比野琢さんは、グアムでの訓練の意義に触れた。
飛行機を飛ばすこと自体が初めてだったり、ジェット機を最初に飛ばすフェニックスとは違い、グアムで実機訓練する訓練生は、みな一通りの操縦ができるようになっている。教官側も、手取り足取り教えるというよりは、訓練生がどういう判断を下すかを見ながら、教育しているようだ。
日比野さんは、教育しすぎないことを心掛けているという。「上空では教育しないようにしています。即時性を求めると、訓練生がわかったふりをしてしまいます。まだチェックアウトしていない段階なので、教官から指摘されるのは仕方ありません。直していけばいいんです」と、訓練生が評価を
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