全日本空輸(ANA/NH)は9月1日、豪州西部のパースへの乗り入れを開始した。成田から1日1往復運航する。ANAの豪州路線は2路線となる。
運航スケジュールは、パース行きNH881便が成田を午前11時10分に出発し、午後8時15分に到着。成田行きNH882便はパースを午後9時45分に出発し、翌日午前8時25分に到着する。機材はボーイング787-8型機(2クラス184席:ビジネス32席、エコノミー152席)を投入する。
初便となったパース行きNH881便が出発した成田空港第1ターミナル51番搭乗口前で記念セレモニーを開催。ANAの平子裕志社長は「(シドニーなどの)東海岸とは異なり、インド洋に沈む夕陽はパースにしかない。西海岸ならではの夕陽を楽しんで」と述べた。平子社長によると、パース線の10月までの2カ月間の予約率は70%を超えているという。「西オーストラリアへの関心の高さがうかがえる」と語り、満足した様子を見せた。
セレモニーでは、千葉・銚子市の銚子はね太鼓保存会が祭り太鼓のパフォーマンスを披露。成田勤務のANAグループ社員で構成するバンド「ANA NARITA Sky Band」が曲を演奏し、就航に華を添えた。
パース行きNH881便初便(787-8、登録記号JA814A)は午前11時14分に成田を出発。173人(うち幼児1人)が利用した。
ANAは、羽田-シドニー線を2015年12月11日に開設し、豪東海岸への乗り入れを開始。同社便の豪州路線としては、1999年3月に撤退した関西-シドニー線以来16年9カ月ぶりとなった。パース線は2路線目のオセアニア路線となる。
同社を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、今年2月1日に発表した2018-2022年度の中期経営計画で、南米やアフリカ、中央アジア、中東などの未就航地「ホワイトスポット」への乗り入れを進めている。
一方、競合の日本航空(JAL/JL、9201)は2017年9月1日から、成田-メルボルン線を就航。既存の成田-シドニー線と合わせ、豪州路線を2路線運航している。豪南東部のメルボルンへも乗り入れることで、豪州発需要の獲得も狙っている。
豪州を拠点とするカンタス航空(QFA/QF)は、日本4路線を運航。メルボルンとブリスベンから成田に乗り入れ、シドニーからは羽田と関西空港に就航している。
カンタス航空グループのLCC、ジェットスター航空(JST/JQ)の日本路線は3路線で、ケアンズから成田と関空に乗り入れているほか、ゴールドコースト-成田線も運航している。
*写真は8枚。
運航スケジュール
NH881 成田(11:10)→パース(20:15)
NH882 パース(21:45)→成田(翌日08:25)
関連リンク
全日本空輸
就航発表と豪現地紙報道
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