エアライン, 官公庁, 空港 — 2019年8月29日 11:05 JST

羽田空港、旅客便の試験飛行を20年1月実施へ 新飛行経路

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 国土交通省航空局(JCAB)は、2020年3月から運用を開始する羽田空港の新飛行経路について、試験飛行を1月下旬以降に実施する。航空会社が運航する乗客が乗った旅客便を使用する。

旅客便による試験飛行を20年1月以降に実施する羽田空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新飛行経路の運用は、3月29日に始まる夏ダイヤから。これにより国際線の発着回数が3万9000回増え、現在の年間6万回から9万9000回に拡大する。

 発着回数の拡大で、発着枠を1日あたり50枠増やして増便に対応し、7月の東京オリンピック・パラリンピック開幕に備える。半数近い24枠を米国路線に充て、日米に12枠ずつ振り分けた。発着枠は出発と到着を合わせて1枠としてカウントしており、12枠を便数で表記する場合、1往復をセットで数えると12便(12往復)、片道ずつ個別の便として数えると24便になる。

 また、新飛行経路で使用する航空保安施設が完成したことから、JCABは飛行検査機サイテーションCJ4を使用し、施設の稼働状況などを8月30日から12月下旬にかけて確認する。滑走路への進入コースを指示するILS(計器着陸装置)や、GPSなどで自機の位置を算出して任意の経路を飛行する航法「RNAV(広域航法)」による出発・進入、航空機を高精度に監視するWAM(広域マルチラテレーション)といった無線施設などが検査対象で、東京と神奈川、埼玉、千葉の各都県上空を飛行する。

 飛行検査の実施と並行して、発着調整を9月から1月はじめごろまでに進める。12月下旬から新飛行経路を周知し、1月下旬以降に旅客便による試験飛行を実施することで、3月の運用開始に備える。

関連リンク
国土交通省

8月から12月まで飛行検査
羽田新経路、飛行検査で安全性検証 12月まで(19年8月26日)

20年3月の国際線増枠
羽田発着枠、ANAに13.5枠で最終調整 格差是正に終止符(19年8月20日)
羽田空港、20年夏ダイヤから新経路 国際線、年3.9万回増便へ(19年8月8日)
ユナイテッド航空、羽田4路線新設 20年3月発着枠増枠(19年8月17日)
ハワイアン航空、羽田-ホノルル増便 夏ダイヤから(19年8月16日)
デルタ航空、成田撤退 羽田に20年3月集約、ソウル-マニラ開設へ(19年8月12日)
羽田米国枠、デルタ航空が最多 米運輸省、12枠暫定割り当て 20年夏(19年5月17日)

16年10月の国際線増枠
米運輸省、羽田昼間便を正式決定 ミネアポリスなど5路線(16年9月5日)
羽田の米国昼間帯、ANAに3枠 JALは2枠、深夜もANAに(16年4月26日)

14年3月の国際線増枠
羽田昼間発着枠、全日空11枠、日航5枠 国交省、将来の歪み懸念(13年10月2日)

13年3月の国内線増枠
羽田発着枠、全日空8枠 日航は3枠で決定(12年11月30日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post