エアライン, 空港 — 2019年8月12日 00:00 JST

デルタ航空、成田撤退 羽田に20年3月集約、ソウル-マニラ開設へ

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 デルタ航空(DAL/DL)は現地時間8月9日、2020年3月に始まる夏ダイヤで予定されている羽田空港の国際線昼間帯発着枠の増枠後、成田空港の旅客便から撤退すると正式発表した。米国運輸省(DOT)が同日、発着枠配分を正式決定したことによるもので、羽田に東京路線を集約し、ビジネス需要の取り込みを強化する。

成田から撤退し羽田路線を拡充するデルタ航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 デルタの成田発着便は、シアトルとデトロイト、アトランタ、ポートランド、ホノルルの米国5路線と、以遠権によるシンガポール、マニラの計7路線。羽田にはこのうち米国5路線が移り、以遠権路線は2路線とも廃止する。

 羽田へ集約後、デルタは既存のロサンゼルス線とミネアポリス線の2路線と合わせて、米国系では羽田最多の便数を運航するようになる。

 羽田の国際線発着枠は、日本の航空会社が使用する枠を国土交通省航空局(JCAB)が配分し、相手国の航空会社の枠はその国の航空当局が決定する。米国の場合はDOTが配分を決めており、今年5月に暫定配分を決定。米国は4社に対し12枠で、最多がデルタ航空の5枠、ユナイテッド航空(UAL/UA)が4枠で続き、アメリカン航空(AAL/AA)が2枠、ハワイアン航空(HAL/HA)が1枠となった。

 成田撤退に伴い、デルタはソウル(仁川)-マニラ線を2020年3月に開設すると同時に発表。太平洋路線で2018年3月から共同事業(JV)を実施している大韓航空(KAL/KE)のハブであるソウルの仁川国際空港を活用し、アジア戦略も強化していく構えだ。

関連リンク
デルタ航空

羽田発着枠
デルタ航空、成田から羽田へ集約 出張需要の取り込み強化(19年8月6日)
成田空港、羽田増枠でアジア-北米の乗継影響も 12路線重複(19年5月30日)
羽田米国枠、デルタ航空が最多 米運輸省、12枠暫定割り当て 20年夏(19年5月17日)
デルタ航空、羽田-ミネアポリス就航 発着枠獲得に意欲(16年10月30日)
デルタ航空CEO、羽田発着枠「JAL/ANAがJFKに着陸できないのと同じ」不快感示す(13年8月1日)

デルタの動き
デルタ航空、前菜とメイン選べるエコノミー機内食 11月から(19年7月6日)
デルタ航空、関空-シアトル就航 767で毎日運航(19年4月3日)
デルタ航空、777新仕様機を日本路線3月投入 個室ビジネス、エコノミーも差別化(19年1月10日)
デルタ航空、大韓航空の日本路線とコードシェア 7便追加、共同事業で(18年8月29日)
デルタ航空と大韓航空、太平洋路線で共同事業(18年3月29日)
デルタ航空、成田2路線運休へ サイパン・パラオ(18年2月20日)
デルタ航空、成田空港に格納庫 米国外で初保有(14年12月2日)