キャセイパシフィック航空(CPA/CX)グループは8月7日から、下地島空港でパイロット訓練を開始する。下地島で海外の航空会社が定期的に訓練するのは初めて。初日となる7日は、台風9号による横風の影響で中止となった。今後、月内に数日間の訓練を予定する。
—記事の概要—
・777とA330訓練
・JAL・ANA撤退で訓練激減
777とA330訓練
キャセイは下地島で、ボーイング777-300型機やエアバスA330-300型機などを使用し、新人パイロットの訓練を計画する。キャセイパシフィック航空の運航管理部門でジェネラルマネージャーを務めるマーク・ホエイ機長は、下地島での訓練を決定した理由について「インフラが整っていることと、気候が概ね安定していること」を挙げた。初日の訓練中止については「外は晴れているが、風向きが幸いしなかった。新人乗務員の訓練が目的で安全を優先した」と述べた。
8月は初日となった7日を含め、5日間の訓練を予定していた。このうち9日も台風の影響を考慮して中止とし、訓練開始は12日か13日となる見込み。
キャセイは現在、中国の珠海と深セン、広州のほか、フィリピンのクラークでもパイロット訓練をしている。下地島ではキャセイ本体のほか、傘下のキャセイドラゴン航空(旧・香港ドラゴン航空、HDA/KA)のA330-300も訓練するという。
JAL・ANA撤退で訓練激減
下地島空港は1979年7月5日に開港。地方管理空港で、滑走路は3000メートル×60メートル(RWY17/35)が1本、スポット(駐機場)は大型機用が5つ、中型機用が1つ、利用時間は午前8時から午後7時30分まで。
島全体が空港用地となっており、国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されてきたが、日本航空(JAL/JL、9201)が2011年度まで、ANAが2013年度までで撤退している。2017年には、バニラエア(VNL/JW)が訓練を実施した。
現在は琉球エアーコミューター(RAC)や海上保安庁が定期的に訓練しているほか、ソラシドエア(SNJ/6J)とエア・ドゥ(ADO/HD)の2社も使用している。
同空港を管理する下地島空港管理事務所の上原正司所長は、「JALとANAの撤退で訓練が激減した」とし、キャセイの訓練開始に期待を寄せた。
下地島空港は離島にあり、夏には今回のように台風による影響も考えられる。上原所長は訓練を検討している航空会社に対し、「リスクは説明している」と述べ、「訓練に適した空港。いい場所だ」とアピールした。
8月の訓練予定
7日:午前10時30分から(中止)
9日:午後3時30分から(中止)
15日:午前9時30分から
26日:午後0時30分から
30日:午前9時30分から
*このほか12日か13日に訓練を予定
関連リンク
キャセイパシフィック航空
下地島空港
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