MRJ, ボーイング, 企業, 業績, 機体 — 2019年8月6日 10:15 JST

三菱重工、19年4-6月期純利益3.1%増164億円 通期見通しは据え置き

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 三菱重工業(7011)が8月5日に発表した2019年4-6月期(20年3月期第1四半期)連結決算(IFRS)は、純利益は前年同期比3.1%増の163億7200万円だった。2020年3月期通期の業績見通しは据え置いた。

 三菱重工は、2018年度からIFRS(国際財務報告基準)を適用。4-6月期は売上高にあたる「売上収益」が1.5%増の9193億2700万円、営業利益にあたる「事業利益」が22.8%増の404億1600万円で、税引前四半期利益は10.2%減の316億4400万円となった。受注高は6.1%増の7502億円だった。

—記事の概要—
航空・防衛・宇宙
20年3月期通期予想

航空・防衛・宇宙

19年4-6月期決算を発表する三菱重工の小口副社長=19年8月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 セグメント別のうち航空・防衛・宇宙は、受注高が877億円(前年同期比26億円増)、売上収益が1521億円(15億円増)、事業利益は94億円(216億円増)だった。

 受注高と売上収益、事業利益とも、民間航空機の増加が奏功した。三菱重工の小口正範副社長は5日、子会社の三菱航空機が開発中の「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発費について、「第1四半期では減損を行っていない」と説明した。

 三菱重工では、ボーイングのTier1(1次請け)として787型機の複合材主翼を製造するほか、777の後部胴体などを担当。777の後継となる777Xでは、後部と尾部胴体の開発・製造を担う。このほか、英ロールス・ロイス製エンジンの燃焼器モジュールや、低圧タービンブレードなどを手掛けている。

 ボーイングは737 MAXの墜落事故が相次いだ影響で、2019年4-6月期(第2四半期)決算は、純損益が29億4200万ドル(約3197億円)の赤字(前年同期は21億9600万ドルの黒字)に転落した。小口副社長は、ボーイングとの取引について「契約で定められており、値下げなどの影響は今のところ出ていない」と語った。

20年3月期通期予想

 2020年3月期通期予想は、前回5月9日発表から据え置いた。売上収益が4兆3000億円(19年3月期比5.4%増)、事業利益は2200億円(9.7%増)、純利益は1100億円(0.2%減)と予測。スペースジェットに対する対する投資は800億円を見込んでおり、この値も前回から据え置いた。

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