日本航空(JAL/JL、9201)と米国のカリッタ航空(CKS/K4)は8月1日、シカゴ(オヘア)-成田線でコードシェア(共同運航)を週3往復で始めた。シカゴを現地時間1日に出発した初便K4 582/JL6033便(ボーイング747-400F型貨物機、登録記号N712CK)は、アンカレッジを経由し、成田へ2日夜に到着した。コードシェア開始を記念し、機体の左前方側面にはJALの鶴丸ロゴが描かれた。
今回スタートしたコードシェアは、カリッタが運航するシカゴ-成田線にJAL便名を付けた。初便のシカゴ発成田行きK4 582/JL6033便は、2日午後7時18分に成田へ到着。機首の貨物室ドアが開くと、自動車やその部品、化粧品などスペースいっぱいに搭載された約60トンの貨物が姿を現した。
成田-シカゴ間の貨物需要は、同区間をJALが運航する大型旅客機777-300ERの貨物室に搭載できる約25トンを大きく上回るという。JALの貨物郵便本部長を務める岩越宏雄執行役員は「シカゴ向けは自動車関係が強い。(カリッタと組むことで)旅客便の貨物室と比較して4倍から5倍の需要に対応できる」と語った。
今年度は、週3往復のシカゴ線のみを維持する見込み。「中長期で見れば、航空貨物はまだまだ伸びる余地がある。当面は北米のカリッタをパートナーとするが、可能性があれば欧州やアジアなどで、違うパートナーと組む可能性もある」(岩越本部長)と、今後の展開に触れた。
JALは2010年1月の経営破綻後、同年10月まで「JALCARGO」のブランド名で、自社の貨物専用機を運航していた。再建に伴い貨物機の運航を終え、旅客便の貨物室を活用する「ベリー」に特化していた。旅客機では運べない大型貨物などは、貨物機をチャーターしていたが、コードシェア開始で大型貨物にも対応できる定期的な貨物便サービスが復活した。
コードシェア便で使用する747-400Fの貨物室は、旅客機の客室にあたる上部にパレットを30ポジション、旅客機の貨物室にあたる下部はパレット9ポジションとコンテナ4ポジションを用意している。
カリッタ航空は、米ミシガン州に本社を置く貨物航空会社で、オハイオ州シンシナティを拠点に747-400Fなどの貨物機を33機(19年8月現在)運用。日本路線はシカゴ-成田線のほか、シンシナティから中部(セントレア)経由で香港、アンカレッジのルートを週5便(片道)運航している。
旅客型の747-400を貨物機に改修した747-400BCF(Boeing Converted Freighter、ボーイング・コンバーテッド・フレイター)も保有。JALが運航していた旅客型の747も、貨物機として同社で運航を続けている。
*写真は11枚。
運航スケジュール
K4 582/JL6033 シカゴ(00:50)成田(翌日06:10)運航日:水
K4 583/JL6032 成田(09:00)シカゴ(09:10)運航日:木
K4 582/JL6033 シカゴ(13:50)成田(翌日19:10)運航日:木
K4 583/JL6032 成田(08:00)シカゴ(08:10)運航日:土
K4 582/JL6033 シカゴ(13:40)成田(翌日19:00)運航日:土
K4 583/JL6032 成田(20:45)シカゴ(20:55)運航日:日
(全便が給油のためアンカレッジ経由)
関連リンク
日本航空
Kalitta Air
JAL
・JAL、長距離国際線777のシートカバー刷新 全クラスにウォシュレット(19年8月3日)
・JALのA350、国際線投入は23年以降 赤坂社長「1年に4-5機導入」(19年6月3日)
ANAは777F導入
・ANAカーゴ、777F就航 日本初導入、大型貨物も輸送可に(19年7月2日)
・ANA、777F貨物機お披露目 日本初導入、北米への輸送強化(19年6月13日)
・ANA、777F貨物機が羽田到着 7月就航(19年5月25日)